大人のADHDとは?
ADHDは、発達障害のひとつで、生まれつき脳の機能の一部に偏りがあるために起こる障害です。先天性の障害なので、大人になってから発覚した場合であっても、子どもの頃から傾向はあったと考えられます。
しかし、それほど強く特徴が出ていない場合は、まわりが寛容に接してくれることで、表面化しないこともあります。それでも、高校、大学、会社と大人になるにつれ、環境や他者から求められることが複雑化することで、まわりから許容してもらえなくなり、そこではじめて自覚するというケースが少なくありません。
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ADHDの特徴は?
ADHDの特徴は、大きく「不注意」「多動性」「衝動性」の3つに分けられます。程度の重さにも個人差がありますが、3つの特徴のうち、どれが強く現れるかという点においても、個人差があります。
[1]不注意優性型
- ・気が散りやすい
- ・集中力が途切れやすい
- ・逆に、集中しすぎて(過集中)切り替えができない
- ・忘れっぽい
- ・整理整頓が苦手
- ・人の話を聞いていない
- ・物事を順序立てて考えることが苦手
このような特徴が現れるのが、不注意優性型タイプです。また、このタイプには、集団のなかでは、あまり目立たない、大人しい方が多いようです。また、大人になってから、「ADHDだったのか」と気づく方が多いのも、このタイプです。
[2]多動性・衝動性優勢型
- ・落ち着きがない
- ・じっとしていられない
- ・そわそわして、体のどこかを動かしてしまう
- ・行動を起こす前に、一呼吸おいて考えることができない
- ・順番が待てない
- ・人の話に割り込んでしまう
- ・カッとなりやすいが、冷めるのも早い
このような特徴が現れるのが、多動性・衝動性優勢型タイプの特徴です。このタイプは、逆に成長とともにこれらの特徴が見られなくなる傾向にあると言われています。こどもの頃、授業中に立ち歩いてしまっていた人でも、大人になるにつれ、高校の授業や仕事中に立ち歩くということは無くなるといった具合です。
[3]混合発現型
- ・不注意、多動性、衝動性の特徴が、混ざり合って見られる
- ・どの特徴がより強くでるかは個人差がある
ADHDの8割が混合発現タイプだと言われています。また、不注意優性型は女性が、多動性・衝動性優勢型は男性に多い傾向にあると言われています。日本では、大人(成人)の1.65%がADHDだという調査結果もあります。
ADHDは遺伝するの?
現段階では「ADHDは遺伝する」とされています。しかし、親や兄弟がADHDだから、必ず他の家族もADHDというわけではありません。これは、ADHDが遺伝要因だけで発症するものではないからです。
遺伝確率ですが、兄弟がADHDの場合、他の兄弟もADHDである可能性は25%~35%(5倍~7倍の確率で発症)、両親ともADHDの場合、子どもがADHDになる確率は、最大で54%とされています。
最近では、子どものADHDが発覚し、それをきっかけに両親が診断を受けることで発覚するというケースも少なくないようです。
「ADHDかも」と思ったらどうするべき?
大人のADHDを診断してもらうためには、精神科・心療内科などを受診します。ただし、すべての精神科などで、ADHDの診断が可能なわけではありませんので、お住まいの近くで診断可能な病院を見つける必要があります。どこを受診していいかわからないなど、お困りの際は、下記のような機関で相談が可能です。
もし、あなたがこれらの発達障害の特徴にあてはまり、生きづらさを感じているのであれば、ぜひ一度相談してみてください。