統合失調症って?
統合失調症とは、何らかの原因によって、脳内の精神機能のネットワークがうまく働かなくなった状態を言います。統合失調症の場合、様々な情報や刺激に脳が過敏になり、感情や思考をまとめ上げる(統合する)という通常の働きができなくなります。MRIやCTで統合失調症患者の脳を検査すると、前頭葉や側頭葉の一部に脳の体積の減少が見られることがあります。
統合失調症の一般的な症状は?
統合失調症の陽性症状について
統合失調症の急性期(発病初期)に見られる妄想、幻覚などを「陽性症状」と言います。現実と非現実の境界が顕著にぼやけ、思考の一貫性が低下して会話のまとまりがなくなるなどの症状を伴うこともあります。統合失調症の陽性反応の妄想、幻覚には2つの特徴があり、それを知ることで幻覚や妄想に苦しむ統合失調症患者の気持ちが理解しやすくなります。
陽性症状の特徴(1)妄想・幻覚の種類
統合失調症の妄想や幻覚の主体は「他人」です。その「他人」が本人に対して悪い働きをしてくるという、人間関係が主題になっています。
陽性症状の特徴(2)気分に及ぼす影響
妄想や幻覚は統合失調症患者にとっては、現実のこととして認識されています。そのため不安感や恐怖が引き起こされて、それを放っておくことができなくなります。それで統合失調症患者は否応なしに妄想、幻覚の世界に引きずり込まれてしまいます。
統合失調症の陰性症状について
統合失調症では日常生活や社会生活において適切な会話や行動や作業がしにくいという、生活上の障害が表われます。妄想や幻覚を陽性症状と呼ぶのに対して、これらの生活障害を「陰性症状」と呼びます。
- ・会話や行動の障害・・・話題が飛ぶ、話しのポイントがはっきりしない、相手の話のポイントがつかめない、行動の能率が悪い、作業上のミスが多いなど、会話や行動のまとまりに障害が生じます。
- ・感情の障害・・・自分の感情と他者の感情についての理解に障害が生じます。
- ・意欲の障害・・・仕事や勉強をする気持ちになれずゴロゴロしてばかりいる「無為」の症状があらわれます。
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統合失調症チェックリスト
統合失調症が疑われる時は、下記のチェックリストを参考にして下さい。
ただし、これらは統合失調症で見られる症状を一覧にしたものであり、医師の診断の代用になるものではありません。下記の項目に、1ヶ月以上あてはまるものがある場合は、ご自分で判断せず、早期に精神科・心療内科を受診することが大切です。
- □ 誰かに操られているのではないかと感じる
- □ 1つのことに集中したり、とっさに判断ができなくなったと感じる
- □ 自分の悪口を言われていたり、嫌がらせをされたりするんじゃないかと感じる
- □ 自分が誰かから監視されたり、盗聴されたり、狙われているんじゃないかと感じる
- □ 不安になったり緊張したりするようになった
- □ 人と話すのが苦痛になり、誰とも話さなくなった
- □ 「楽しい」とか「嬉しい」とか「心地よい」などと感じることがなくなった
- □ さっき起こったことを思い出せなくなったり、頭が混乱して考えがまとまりにくくなった
- □ 正体不明の声が自分を責めたり、命令をしてくる
- □ 何をするにも億劫で、意欲や気力などがなくなった部屋に引きこもっている
- □ 頭の中の音が騒がしくて眠れない、または逆に眠りすぎるほど眠るようになった
- □ 独り言や一人笑いをするようになった
- □ 些細なことに過敏になり、注意力が散漫になったり、興奮するようになった
- □ 自分の考えていることが周りに筒抜けになっていると感じる
- □ 部屋に引きこもって、1日中ぼんやりとして過ごすようになった
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