天王寺の川崎です。
家の近くの空き地に、たった一日で大きな鉄骨の建物が出来上がっていた光景を見て、
側にいた警備員に質問した応えをブログの書き出しに活用します。
「すみません。ここに何ができるのですか?」
警備員:
「私は、工事の人間ではないのでわかりません」というお応え。
きっと事実なのでしょう。
そして、どんな建物が建つのか本当にわからないのでしょう?
このやり取りを通して、
自分の仕事をしてる現場で大きな建物が建つのに
役割が違うから興味を持たないのは何故なんだろう??と、疑問が浮かんできました。
このやり取りに多くの人が働く上でありがちな、仕事の本質が隠されています。
三人のレンガ職人の話
よくある例えです。
3人の男が建築現場で働いています。
それを見ていた人が、それぞれの職人に向かって質問をしました。
「あなたは何をしているのですか?」
「わたしは、レンガを積んでいるのさ」と第一の男は答えます。
「あなたは何をしているですか?」
「わたしは、金を稼いでいるのさ」と第二の男は答えます。
「あなたは何をしているのですか?」
「わたしは、後世に残る大聖堂を作っているのさ」と第三の男は答えます。
さて、あなたは仕事をしていくうえで、何番目の男に共感しましたか?
私は過去何百人に対して、この問いを出してきました。
その結果は、
第三の男のような考えを持って仕事をしてきたいという人が大半でした。
ではなぜ多くの人が働き始めるにつれ、最初に書いた警備員のような思考に陥り、
仕事を楽しめなくなってしまうのでしょう?
レンガ職人の話に戻ります。
親方からの指示は、一日に積み上げるレンガの個数と隙間の精度しか出されません。
仕事のやり方は教えてくれますが、仕事の目的や役割は自分自身で見出さなければいけません。
目標は他人から与えられることがあっても、目的は他者から与えられず
仕事の意味付けは、自分で行っていかなければいけないのです。
この目的や役割がないまま仕事をしてしまうことが、楽しめない要因なのです。
野球選手のセカンドキャリア
人生100年計画.
70歳まで働き、残りの30年間をどのように生きていくのか考えないといけない時代です。
それは才能があり、若くして名声を挙げた野球選手であっても同じことです。
才能のある野球選手であっても、30歳を過ぎると引退の文字が頭によぎり
次のキャリアを考え始めます。
テレビの特番で、元・野球選手の妻たちという特集が組まれ、
次のキャリアに奔走する夫に尽くしていく妻の物語が、感動を与える番組があるのですが、
才能があったとしても、次のキャリアを見つけ出すことは容易ではありません。
「俺は野球しかできない」
「野球の世界に残ればどんな仕事でもしていく」
そんな声がたびたび番組内から聞こえてきます。
さて、どうすれば幸せなセカンドキャリアを送ることができるのでしょう??
一つ質問をします。
例えば「人を笑顔にしたい」と思っていて、その手段として野球選手になった人の場合と
小さいころから野球が上手く野球選手になった人とでは、
どちらのほうがセカンドキャリアをうまく形成することができるのでしょう?
前者は、「人を笑顔にしたいという思い」を大切にし、引退後も人を笑顔にする仕事を探していくでしょう。
そこに野球に関連することがあれば最高ですが、
そうでなくても、きっとどんな仕事を通しても笑顔に繋がることを一生懸命頑張り、楽しめるでしょう。
では、野球しかしてこなかった人はどうなるのでしょう??
きっと、俺は何がしたいんだ!!ともがき苦しみ、自己分析に時間を費やすのではないでしょうか?
キャリアの支援を行ってきて、よく耳にすることは働ければどこでもいい。
そう話される方も多いのが現状です。
選択肢を絞り込むより、どこでもいいと思う気持ちは大切です。
だけど大切なのは、何をしたいのかを大切にし採用され働き始めた場所で、
その思いを叶えていくことが必要なのかと思っています。
だから志望動機を考えるプロセスは、本当に重要なことだと思っています。
二つ目の例え話をしてみましょう。
仮に、コンビニエンスストアで働いているとします。
最初に書いたレンガ職人の第一、第二の男のように、
ただ働いているだけ、一日働くと1万円もらえるという意識で仕事をするとどうでしょうか?
<お客様にクレームを言われて心が折れる。>
<言われた仕事以外はしたくない。>
<時間から時間過ぎることだけを意識し、楽しくない毎日を過ごす>ことになりそうです。
では仮に「誰かのためになることをしたい」という思いになったのなら
コンビニでの働き方は、どのような働き方に変化するでしょう?
きっと全く違った働きぶりになり、たくさんの気づきや学びが生まれ
自分自身に変化と成長があると思いませんか?
コンビニエンスストアから転職したいと思った場合で見ていきましょう。
第一、第二の男の思考で就職活動をしたのなら、
コンビニエンスストアの作業内容を経歴として書き、似たような業種を選んでいくでしょう。
ところが第三の男の思考で仕事をし、転職活動を行ったとしたら、
どのようなことを書いていけるでしょうか?
全く違った業界にエントリーするのかもしれませんね。
自分探しや天職探しはしなくてもいい、
たった一つ。
自分の大切にしているものを見つけるだけで、
どんな仕事も楽しくなるのです。
前回書いた、すべての答えは5メートル以内にあるの続編として
書いてみましたので、何を大切にしているのか、
ぜひ一度振り返ってみてもいいかもしれませんね。