こんにちは!就労移行支援事業所CONNECTの深谷です!
現在就業中で、働きながら就労移行支援事業所に通ってみたいなと思っている方もいるのではないでしょうか。
今回は、
「働きながら就労移行支援に通うことができるのか、また休職中の場合はどうなのか?」
という疑問についてお答えしていきたいと思います。
- 就業中だけど仕事と就労移行支援を両立したい人
- 休職中に就労移行支援をリワークに使いたい人
- 現在、病気があり、金銭的な補助制度を知りたい人
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就労移行支援は働きながら利用するのは原則不可
結論から言うと、原則、就労移行支援はお仕事と並行して利用することはできません。
就労移行支援は障がいが理由で退職した方や、社会人未経験の方など「現在就労していない人」が、これから一般就労で就職することを目標に、さまざまな訓練を受ける場です。
そのため、すでに働いている方はお住まいの自治体から十分に働くことが可能であるとみなされ、就労移行の訓練を受ける必要がないと判断されてしまいます。
また、お仕事をしながら休みの日は就労移行へ通うとなるとWワークに近い形になって体力的にもかなり大変です。
せっかくより良い環境で働くために、就労移行で訓練を受けるようと思っても両立することで体調を崩してしまっては本末転倒です。
体調や心に余裕がある状態で転職活動を行うために、ぜひ一度ご自身の心身の状態を踏まえた上で今後について考えてみてください。
働きながら利用できることもある
先ほど申し上げたように原則は、働きながら利用することは不可です。
しかし、正当な理由がある場合には稀に就労移行支援の利用許可が下りることがあります。
例えば
- ●パートタイムからフルタイム勤務を目指す
●新しいスキルを身につけて仕事に活かす
●現在のお仕事よりも待遇のよい雇用形態を目指す(アルバイト→正社員)
など、週2日のアルバイトから正社員のようにステップアップするためであれば、お住まいの自治体によって判断は異なりますが、働きながら利用できる可能性があります。
ただし、何度もお伝えしているように基本的には働きながらの利用は認められていません。
どういう判断になるのか、気になる方は自治体の福祉課に相談したり、就労移行支援事業所経由で確認してもらったりするとよいです。
働いていることを隠して通所すると…
仮に働いていることを隠して就労移行支援のサービスを受ける許可が下りたとしても、後からほぼ確実に発覚します。
雇用主(給与支払者)は、「誰にいくら支払ったか」という情報を税務署に対して申告します。
その情報がお住まいの自治体に伝わる可能性が高く、そこで働いていることがわかってしまいます。
また、支援者に対して働いていることを隠して通うことで
●Wワーク状態になり体調が安定せずに思うように通所できない
というデメリットもあります。
結果として、就職が遠のいてしまうことにもなりかねないため、働いていることを隠して通所することはやめておきましょう。
休職者は就労移行支援を使える?
休職者の方は就労移行支援事を使うことは可能です。ただし、休職中の場合でも、会社に籍があるだけで【働ける能力がある】という判断になってしまうケースもあります。
そのため、一概には就労移行支援を利用することが可能とは言えません。
厚生労働省の資料に以下の要件を全て満たす場合には、就労移行支援の利用が認められるという記載がありました。
●休職中の方が復職を希望し、企業および医療機関側も支援により復職が適切と判断している場合
●休職中の方が就労移行支援などを利用することで適切なサポートが受けられると市区町村が認めた場合
以上の三点を全て満たしている方は、就労移行支援の利用が認められています。
こちらも最終的な判断はお住まいの自治体が行うため、利用できる・できないの判断を含めて、問い合わせが必要になります。
休職中に就労移行支援を使うなら
職場復帰を目指す場合
休職に至った経緯や、自分自身がどのような配慮を受けることで本来の能力を発揮することができるのか、今一度支援者と共に振り返っていきましょう。
また、職場復帰の際には支援員が企業との間に入り話し合いの場を設けることも可能です。
転職を目指す場合
今の職業が合っていないのではないか、転職するならどのような仕事に就いたらいいのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ご自身の客観的な評価を知ることや好きなこと、今までの経験でどのような知識をつけてきたかを改めて見つめ直しましょう。
転職するにあたって、履歴書や職務経歴書の作成・面接練習なども事業所で支援を受けられますので、適性探しから就職活動までサポートを得られます。
仕事を辞めて就労移行支援を使う場合の生活費
では、仕事を辞めて収入が0の状態で最大で2年間就労移行支援事業所に通うことになった場合に生活費はどのように賄えばいいのか、いくつか候補をご紹介していきます。
生活保護
生活保護制度とは、経済的に困窮した方に対して必要最低限の生活費を支給する国の公的扶助制度です。
受給するためには、様々な条件を満たすことが必要になりますがいくつか例を挙げると
●病気や障がいが理由で働く意欲があっても働くことができない
●年金などの他の制度を利用したとしても最低生活費を満たすことができない
などがあります。貯蓄や財産がある場合はまずそれらを活用していく形になりますので、誰でも気軽に受けられるものではありません。
申請は、お住まいの地域の福祉事務所で【生活保護申請書】を提出します。
申請後は相談員もしくはケースワーカーが面談・訪問があり、生活歴やお住まいの状況確認が行われます。
申請日から原則14日以内に調査・受給決定が行われますが、例外として14日以上かかる場合もあります。ただし、30日以内には決定することが法的に定められているため、長くて一か月かかることを考慮しておきましょう。
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失業保険
よく耳にする失業保険は会社都合での失業だけでなく、自己都合退職でも雇用保険に加入していればもらえる手当です。ハローワークで申請を行って一般的には3ヶ月の給付制限期間を経て受け取ることが可能となっています。
(令和2年10月1日以降に「正当な理由がない自己都合により離職した方」については、5年間のうち2回まで給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月に短縮されます)
退職後に離職票を貰ったら忘れずに失業保険の申請を行いましょう。ただし、失業保険の受給には、加入期間など、一定の条件を満たすことが必要です。
障害(うつや統合失調症など)が理由で退職した場合、【障害者等の就職困難者】となります。この就職困難者は一般の離職者よりも失業保険の条件が優遇されています。
●45歳以上65歳未満で雇用保険加入期間が1年以上の場合、360日間
失業給付金を受け取ることが可能になります。一般の離職者と比べてかなり余裕があるため、失業給付金の申請をする際は❝必ず❞ご自身で就職困難者であることを窓口で伝えましょう。その際には医師の診断書や精神障害者保健福祉手帳などの提出を求められるため、あらかじめ用意しておきましょう。
ちなみに、失業保険の基本手当日額は、離職した日の直近6ヶ月の賃金日額をもとに計算され、賃金日額の50%から80%が支給されます。これにはボーナス等の特別手当は含まれません。賃金が低い方ほど、給付率が高くなるようになっています。
障害年金
障害年金は病気やケガによって生活や仕事に制限を受けることになった場合に受け取ることができる年金です。
申請するには原則として初診日から1年6ヶ月経過していることが条件となります。
その他の細かい受給要件もありますが、ご自身で調べることが大変な場合にはお住まいの地域の年金事務所で確認することが可能ですので、一度相談に行かれることをおすすめします。
障害者手帳未所持の方であっても申請することは可能ですので、手帳を持っていないからという理由で諦める必要はありません。
また、障害手帳の等級が3級だから3級が支給されるというわけではありません。
障害年金は、ご紹介している中でも一番支給までに時間がかかるものではあるため、早めに申請しておくことをおすすめしております。
障害年金の受給条件や申請の流れをもっと詳しく知りたい方は関連記事をご覧ください!
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傷病手当金
傷病手当金は、病気によって休職した方やその家族の生活を保障するための制度です。
支給される条件としては、被保険者が病気やけがのために働くことができず、会社を連続して3日間休んだ上で、4日目以降から休んだ日に対して支給されます。休職中や休んだ期間について事業主から賃金が支払われた場合には、傷病手当金は支給されません。(ただし、給与の一部だけが支給されている場合には、傷病手当金から給与支給分を減額して支給されます。)
会社の就業規則に、休職中の賃金について記載があることが多いため一度確認してみてはいかがでしょうか。
傷病手当金は最大で1年6ヶ月間、給与の約3分の2が支給されますので、生活費の心配も軽減されるかと思います。
まとめ
- 例外もありますが、お住まいの自治体への確認が必要になる。 ご自身で確認しづらい場合は就労移行支援事業所経由で確認することも可能。
- 休職中の方であっても、「働ける能力がある」と自治体が判断した場合には就労移行支援の利用は不可。ただし、要件を満たすことができれば利用が認められるケースもあるため、お住まいの自治体への確認が必要。
- 働いていることを隠して、就労移行支援に通ったとしても後から必ず発覚してしまう。デメリットが大きいので隠して通所することはやめておく。
- 収入が0になった場合の生活費を賄う手段は ・生活保護 ・失業保険 ・障害年金 ・傷病手当金 などがある。
本日ご紹介させていただいた通り、さまざまな選択肢があります。
ご自身だけで悩まれず、就労移行支援では無料の相談会を行っている事業所も多数ありますので、ぜひ一度問い合わせしてみてはいかがでしょうか。