アスペルガー症候群の人が就職活動をする際に
●次こそは長く続けられそうな職場を探したい
と悩んでいることも多いと思います。
この記事は、
●アスペルガー症候群の人にはおすすめできない仕事
●アスペルガー症候群の人が仕事で直面しやすいトラブル
- アスペルガー症候群だと診断されたけど、今後の仕事探しはどうしたら良いの?
- アスペルガーの良いところや特性を仕事に活かしたい
- 職場で上司から注意されることが多くて悩んでいる。もしかしてアスペルガーかも?
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アスペルガー症候群とは
広汎性発達障害の1つである「アスペルガー症候群」は、アメリカ精神医学会の診断基準がDSM-4からDSM-5に更新されて2013年より「自閉症スペクトラム(ASD)」という呼び方に変更されております。
しかし診断以外の場面では、現在でも使用されることもありますので改めて解説いたします。
アスペルガー症候群は
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- ①社会性の問題:他者と相互的な交流をしたがらない、他者への無関心など
- ②コミュニケーションの問題:一方通行のコミュニケーションなど
- ③想像力の問題:相手の感情や場面の読み取りや察することが難しいなど
の3つの特徴があります。
アスペルガー症候群の特性があったとしても、学生時代は何とか生活できる方もいらっしゃると思います。
しかし、働き出してから社会人生活が上手くいかない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
①会社の昼休みに、上司や同僚がみんなで楽しそうに雑談しています。
しかし、自分から話の輪に入りにくいなどコミュニケーションに困っていたりしませんか?
②自分の話は一方的に話したいだけ息つく間もなく話すけれども、相手の話は聞かない。
また、会社の先輩が髪型を変えたけれど、お世辞や社交辞令を言えないし言おうとも思わない。
③上司から「適当にやっておいて」と指示されて「・・・はい」と返事したものの、適当が分らなくて困ったことはありませんか?
アスペルガー症候群は「察する」ことが苦手な障害だといわれています。
また上司から急な仕事を頼まれると、予定が狂ってしまい混乱してしまうなどありませんか。
関連記事でも詳しくアスペルガー症候群について説明しております。ぜひご覧ください。
【関連記事】大人のアスペルガー症候群ってどんな特徴があるの?わかりやすく解説!▶
アスペルガー症候群の人におすすめの仕事とは?
アスペルガー症候群で多くみられる特性をもとに、おすすめの職種をご紹介いたします。詳細をご確認ください。
※すべてのアスペルガー症候群の方に向いているわけではありません。
事実関係や根拠に基づいて論理的に進めていく仕事
相手への関心が少なかったり感情や場面の読み取りが苦手だったりしても、
事実関係や根拠に基づいて論理的に進める仕事は問題なくできる可能性があり、
●研究者
ライターは、パソコンと向き合って文章作成など作業をコツコツとできる人におススメです。
職場は、出版社やフリーペーパー会社などになります。
最近では、webライターとしてサイトへ登録して、そこから仕事依頼が来て、自宅で仕事をするという働き方もあります。
研究者は、1つのことに集中できる力が高い人におススメです。
職場は、大学などの研究機関や公的な研究機関、食品会社や洗剤メーカーなどの研究室になります。
正確性が必要な仕事
こだわりの強さや集中力を生かせる仕事として、
●校正者
●ゲームデバッガー
●映像分析スタッフ
などの正確性が必要となる仕事が挙げられます。
プログラマー
コンピューターを動かすプログラム開発の仕事です。
プログラミングはコードを正確に打ち込むことが求められるため、正確性を武器にして活躍している人もいます。
●最近では小学生向けのScratch(スクラッチ)というソフトも人気
校正者
新聞や本、雑誌などの原稿と校正刷りの間違いがないかを確認するお仕事です。
細かいところまで気が付くタイプの人におススメです。
職場として、新聞社や出版社、広告会社などが挙げられます。
ゲームデバッカー
発売前のゲームを実際にプレイし、不具合が無いかを確認する仕事です。
何度も挑戦する根気が必要ですので、アスペルガー症候群の人に向いていると言えます。
職場は、ゲーム開発会社が該当します。
映像分析スタッフ
車に搭載しているドライブレコーダーの映像を分析するお仕事です。
某テレビ番組で「健常者は1時間ぐらいですぐに疲れてしまうが、アスペルガー症候群の方は1日中集中することができる」と絶賛していたように、高い集中力があるアスペルガー症候群の人に向いています。損害保険会社などで働くお仕事になります。
1人で作業を完結できる仕事
対人関係が得意でなく難しい場合でも、1人で作業が完結できることの多い仕事を選べば、特性が活かせます。
具体的な職種の例としては、
●ライター
●校正者
●ゲームデバッガー
●デザイナー
●研究者
プログラマーやライター、校正者、ゲームデバッカーなどパソコンを相手に1人で黙々と仕事ができる環境なら、高い集中力があるアスペルガー症候群の特性を活かす事ができます。
大勢の人たちと頻繁に交流を図り意思を伝えあわなくても良いのは、コミュニケーションに障害を抱えるアスペルガーの人にとって利点です。
アスペルガー症候群の人にはおすすめできない仕事
アスペルガー症候群の人すべてにおすすめできない仕事は存在しません。
しかし、アスペルガー症候群で多くみられる特性をもとに、おすすめできない職種をご紹介いたします。
対人コミュニケーションが多く必要な仕事
上記の「1人で作業を完結できる仕事」とは全く正反対のお仕事が、おすすめできないお仕事になります。
具体的な職種としては
●営業職
●相互的なコミュニケーションが必要
・接客業:お客様を観察し、店員を呼ぼうとしている様子に気付いて、お客様が呼ぶ前に自分から声をかけるという気付く力が求められる。
・営業職:『気に入ってもらえた』『納得されてない』などお客様の表情を読み取りその気持ちを汲んで、次の営業トークをする必要がある。
つまり、気遣いや人の気持ちを察することが苦手な人には向いていないといえます。
複数の作業を同時進行で進める仕事
こだわりの強さや1つのことへの集中力を発揮できる反面、複数の出来事を同時に進めることは苦手としている人が多いです。
下記の職業はマルチタスクが多い傾向になるため、あまりおすすめできません。
具体的な職種としては
●コンビニ店員
料理人は
●茹でる
●炒める
●お皿に盛りつける
●ホールスタッフに運ぶように指示する
同時進行が上手くいかなければ、お客様にお出しする予定の料理が焦げてしまい食材を無駄にしてしまうかもしれません。
また、コンビニ店員は、
●コロッケなどの揚げ物を揚げる
●宅配便の配送をする
●少しの空いた時間に品出しをする
あれもこれも同時進行が苦手な人はうまくいかない可能性があります。
アスペルガー症候群の人が仕事で直面しやすいトラブル
アスペルガー症候群の人すべてが直面するわけではございません。
しかし、アスペルガー症候群で多くみられる特性をもとに、仕事で直面しやすいトラブルをご紹介いたします。
作業を細かく行いすぎる
自分の“こだわり”が強く出てしまい、求められる内容以上に細かく作業を行ってしまうことがあります。
ゆえに時間がかかりすぎてしまい、「仕事が遅い」と言われて困った経験はございませんか。
周囲のアドバイスがあっても、こだわりゆえに受け入れられないこともあります。
周囲との連携がうまくできない
相手への関心の薄さや場面の読み取り、相互的なコミュニケーションの難しさがあります。
その特性により、職場の同僚や先輩、上司と連携を取りながら仕事ができなくて困っていませんか。
具体的には報告・連絡・相談が不十分であったり、相手に合わせたりができず、仕事に支障を来たす場合がございます。
おおまかな説明が理解できない
「やりやすい長さで」
「重くならないように」
「近いうちに」
具体的に言えば、頭が真っ白になってフリーズしたり、考え込んでしまったりするケースがあります。
職場では、具体的に「何月何日の何時まで」と指示を出してもらう。
障害特性を職場の先輩や上司に理解してもらえると働きやすくなり、長く働き続けることができます。
まとめ
①おすすめの仕事:1つのことに集中できる力が求められる
・研究者
・校正者
・デザイナー
・ライター
・プログラマー
・ゲームデバッカー
・映像解析スタッフ
②おすすめできない仕事:コミュニケーション・マルチタスクが求められる
・営業職
・料理人
・接客業全般
・コンビニ店員
②仕事で直面しやすいトラブル
・作業を細かく行いすぎる
・周囲との連携がうまくできない
・おおまかな説明が理解できない