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発達障害の大人は嘘をつく?その場しのぎの嘘の理由や、仕事での対応方法をご紹介

2022.03.11

病気・障害の特性

こんにちは!

就労移行支援事業所CONNECT梅田の稲葉です。

皆様は発達障害の方との関わりの中で、「どうして頻繁に嘘をつくの?」「どうして明らかに嘘だとわかる嘘をつくの?」と疑問に思ったことがありますか?

実はその嘘、相手を困らせるためについているものではない場合があります。

この記事は次のような人にオススメ
  • 家族や職場に発達障害の方がいて、その方の嘘に悩んでいる方
  • 相手に嘘つきだと思われてしまう発達障害の方
  • 普段からその場しのぎの嘘をついてしまう方

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発達障害の大人は嘘をつくことがある

まず、発達障害を持つ方は

●こだわりの強さ
●集中が続かない
●感情や場面の読み取りが苦手
●曖昧な表現の理解が難しい
●人間関係を築くのが苦手

等の特性があります。

これらの特性から

  • ●事実をなかったことにしてしまう
  • ●事実を大げさにして話してしまう

ことがあり、その結果嘘をついていると思われてしまう結果となります。

それは、アスペルガー症候群の方の本音と建前を使い分けることへの苦手さに理由があります。

本音と建前がない、つまり良くも悪くも正直者であるアスペルガー症候群の方は、本来「わかりにくい嘘」をつくことが苦手なのです。

そのため、詐欺師のように人を騙すためなど、悪意を持って嘘をついているわけではありません。

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発達障害と虚言癖の関連性

虚言癖とは、病気の名称ではなくどうしても嘘をついてしまう方の性質を表す専門用語です。

簡単に言えば嘘つきのことを指しますが、

●明確に嘘だと分かって話している
●統合失調症のように自分の言っていることを認識できず、結果的に事実と反することを述べてしまう
●解離性障害の解離が起きている間の記憶がないのでその間にした約束を覚えておらず、嘘つきと言われてしまう

などの場合があり、一般的に虚言癖は「明確に嘘だと分かって話している」ことを指します。

(最初は嘘をついている自覚があっても、途中から嘘と事実の境目がわからなくなる人もいて、その場合もこの中に含まれます)

虚言癖には嘘の内容によって、いくつかの障害の可能性が考えられます。

そのため、虚言癖の人が全員発達障害であるわけではありません。

また、虚言癖は目立ちたがり・頑固で意地っ張り・自己中心的、わがまま・プライドが高い・寂しがり等の性格であることが多いです。

上手にその場しのぎの嘘をつくことができない

誰しも自分のためだけでなく、相手のためを思うがゆえに嘘をついた経験はあるかと思います。

「嘘も方便」「お世辞」という言葉があるように、状況に応じてその場を円滑にのりきるために、上手にウソをつくことは立派な処世術のひとつです。

その反面、どのような理由であれ、嘘が発覚すると周りから「嘘をつく人」という印象を持たれることになります。

嘘であると感じる理由として

  • 明らかに嘘であることが表情や態度から読み取れてしまう
  • 話の前後の内容に矛盾や食い違いや生じる

があげられます。

発達障害の方の

  • 本音と建前の使い分けの苦手さ
  • 言葉の読み取り、理解力、想像力の乏しさ

という特性から

  • 表情や態度がぎこちなくなり、嘘をついているように感じられる
  • 話の前後で食い違いや矛盾が発生し、嘘が明確になる、結果として嘘になる

といったことが生じます。

さらに、発達障害の方は「普通」を求められた結果、失敗の体験を多く重ねてきた場合が多くあります。

その場を乗り切るために話を誤魔化す習慣がついている方や、無意識にその場しのぎの嘘をついてしまう方も少なくありません。

また、自分の正当性や合理性を守るために嘘をつきますが、その嘘がすでにばれていることに気付かず、その嘘を守るための第二、第三の嘘をつく場合もあります。

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感情のコントロールができないため、思わず嘘をついてしまう

誰しも怒りや恐怖、焦りからその場を乗り切るために、事実とは真逆のことや思ってもいないことが咄嗟に口から出てしまう経験があるかと思います。

特に発達障害の方の中には、

  • 感情の起伏が激しい
  • 感情のコントロールができない、難しい

人がいます。

それにより、思ったことをすぐに口に出してしまうことがあります。

感情が高ぶっている時は頭が感情に支配されているため、その時に発した言葉を覚えていない、あるいはその出来事すら鮮明に覚えていない場合もあります。

口に出したことが必ずしも事実とは限らない、話したことを覚えていないため、周りから見ると

  • よく嘘をつく
  • 平気で嘘をつく

と思われてしまいます。

意図的に嘘をついているわけではないため

  • どのように捉えているのかお互いにすり合わせを行う
  • 「ウソばかり」ではなく「上手にウソをつけない」

などの周囲の方の理解や対応が必要となります。

捉え方の違いが嘘に感じてしまう

会話の中で「物事の捉え方」や「価値観」「表現の仕方」「感覚のズレ」の違いから認識に相違が生じて話がかみ合わず、時には言い争いに発展してしまうことがあるかと思います。この「物事の捉え方」「価値観」などが発達障害の方は独特なため、客観的にみると事実と違うように誤解され、「自分の都合のいいように嘘をついている」ように捉えられることがあります。

ADHD(注意欠如・多動症)の傾向が強いAさんの例
Aさんの頭の中は、いつも高速回転をしています。
ミスを指摘された際、Aさんの頭の中では「そこに至った経緯」「今後の改善策」などを3日分ほどは考えて、タイムループをしているような感覚にあります。

そのため、高速回転で色々考えているうちに、謝るタイミングを逃してしまったり、謝る前に疲れ切ってしまったりします。

実際には謝っていなくても、頭の中では何度も謝っていると認識しているため、なぜ許してくれないのかという気分になります。

Aさんから推測する発達障害の方の嘘
ミスを指摘され、咄嗟に『自分ではないです』と結果的に嘘をついてしまった方をAさんは「希望」を答えてしまっただけだと推測します。

おそらくその方は自分のミスだとわかっていながら、「自分ではない」「こうであったらいいな」という気持ち、「希望」という思考が口から出てしまったと話します。

さらに、話を盛る・その都度で言っていることが変わる方は、サービス精神と「こういう理由だったらかっこいいな」「こうだったら面白いな」と思いついたことを瞬時に口に出してしまうだけと推測します。

虚言癖が、仕事や生活に支障をきたす場合は専門機関に相談する

発達障害の特性によって結果として嘘をついてしまいますが、頻繁に嘘をついてしまうと周囲の理解が得られないために孤立してしまうなど、仕事や生活に影響が出てきます。

また、発達障害の方は自分自身で「嘘をついている」と認識できているとは限らないため、家族や知人、職場の人など周囲の人が気付いてサポートするのが必要となります。

サポートの際、困ったり不安に感じたりした時は、医療機関・福祉施設などの専門機関で相談してみてください。

発達障害者支援センター

発達障害の早期発見や早期支援を目的とし、発達障害のある方やご家族の日常生活をサポートしている施設です。

発達障害の診断を受けている方だけでなく、発達障害の可能性がある方も相談することが出来ます。

また、施設によって差はありますが、基本的には専門の職員に加えて社会福祉士がいます。

その他にも精神保健福祉士や医師がいる事もあり、それぞれの専門に沿ったサポートを受けることが出来ます。

障害者就業・生活支援センター

身近な地域において就業面と生活面の相談や支援を行い

障害のある方の自立と安定した職業での生活実現を目指している機関です。

ですが、障害の診断がなくても社会生活に困難がある人の相談は可能です。

様々な支援機関や医療機関とのつながりを利用し、生活から仕事まで幅広い相談に対応してくれます。

また、都道府県の中に複数のセンターが存在するので、他の支援機関よりも利用しやすいことが多いです。

まとめ

まとめ

人間は誰しも「自分の正当性・合理性のために」嘘をつくことがある。

① 発達障害の方は、本来嘘をつくことが苦手!
状況に応じてその場を円滑にのりきるための嘘に必要な 「つじつま合わせ」や
「表情を作ること」が苦手なほど素直な方が多い

② 発達障害の特性によって、結果的に嘘をついていると思われてしまう
物事の捉え方、表現の仕方が独特で物事の順序立てが苦手なため、
話が進む中で矛盾が生じ、嘘をついているように誤解されやすい

③ 発達障害の方の嘘は、「思考・感情がそのまま口から出たもの」

詐欺師のように人をだまそうという意図的な嘘ではない。

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