こんにちは!
就労移行支援事業所CONNECT梅田の山本です。
皆様の中で「自分や子供がアスペルガー症候群ではないか?」と感じている方はいらっしゃいますでしょうか?
また、「アスペルガー症候群は遺伝するの?」という疑問を持っている方もいらっしゃるかと思います。
この記事では最新の研究成果からアスペルガー症候群の原因や遺伝について判明している内容を解説します。
- アスペルガー症候群について悩んでいる
- アスペルガー症候群の検査方法について知りたい
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アスペルガー症候群とは?
アスペルガー症候群とは、自閉症スペクトラム障害に含まれる障害です。
アスペルガー症候群のタイプとして
●受動型
●孤立型
上記の3つに分けられております。
興味のあることや活動がパターン化してしまう自閉症の特徴も併せ持つが、言葉や知的の発達に遅れが見られないことが特徴です。
また、比喩を使った表現や遠まわしな発言、表情や相手の所作から感情を読み取ることが苦手です。
そのため、ずっと自分の話をしてしまうことや相手が傷ついてしまうようなストレートな表現を悪気なく発してしまうなどが見られます。
アスペルガー症候群についてのさらに詳しい説明は、関連記事をご確認ください!
【関連記事】大人のアスペルガー症候群とは?症状の特徴、対応方法、仕事での工夫を解説▶
アスペルガー症候群はいつわかる?
アスペルガー症候群は言葉や知的の発達に問題が見えにくく、幼少期には気が付きにくいため、大人になってから発覚することが多いです。
また、重症な症状の場合は幼稚園や保育園でわかるケースも存在しますが、特徴的な振る舞いは単に性格として捉えられてしまうことがあります。
そのため、就職をして社会人になることで、もともと持っていたアスペルガー症候群の特徴が現れ、悩みや問題が発生することにより大人になって初めて診断された人もいます。
アスペルガー症候群は遺伝する?
アスペルガー症候群は、遺伝的な要素である脳機能障害が環境的な要素と複雑に絡み合い発現するものだと考えられています。
また、発現する原因として胎児期の体内環境や周産期のトラブルが関わっているという研究結果も存在します。
そのため、アスペルガー症候群を持っている子供のご両親の中には、「育て方が悪かった」と悩んでいる方もいらっしゃるかと思いますが、育児や育て方が原因ではないのでご安心ください。
遺伝子が影響している可能性がある
アスペルガー症候群が発症する原因として、遺伝子が1つの要素として考えられています。
現段階では解析中のため、遺伝子が原因となっている確率は明言されておりませんが、0%ではないと考えられております。
例えば、二卵性双生児よりも一卵性双生児のほうがアスペルガー症候群の発現率は高いことや、特定の遺伝性疾患を持つ方はアスペルガー症候群を合併する確率が高いという報告があります。
これらの双生児研究の報告から遺伝子が要素の1つであると考えられております。
しかし、遺伝子が要素の1つと判明していても様々な遺伝子が複雑に絡み合いながら脳の機能障害を起こしているため、原因とされる遺伝子を見つけ出すことは難しいとされています。
そのため、アスペルガー症候群が発症する原因は不明であり、発症の原因も特定されておりません。
環境的な要因もアスペルガー症候群に関係する!?
アスペルガー症候群の発症原因として、遺伝子のほかに環境的な要素も関係していると考えられています。
例えば、遺伝子が同じとされている一卵性双生児の場合でも、双方が必ずアスペルガー症候群であるとは限りません。
これらの報告から遺伝子に環境的な別の要因が重なったとき、脳機能に障害が起こることでアスペルガー症候群が発症すると考えられています。
アスペルガー症候群を検査する方法
アスペルガー症候群の検査は精神科などの医療機関で行うことになり、受診のタイミングは本人や家族の判断で行います。
しかし、アスペルガー症候群を出生前に検査する方法はなく、乳幼児の頃に疑われ始めることが多いと言われています。
そのため、保育園や幼稚園での集団生活が始まる3~4歳の頃には、言葉やコミュニケーションに特徴的な行動が目立ち始めます。
中には地域の検診などで指摘されることや、素行に違和感を抱いた場合、保育園や幼稚園から相談機関を紹介される場合もあります。
また、アスペルガー症候群は診断が困難とされているため、乳児期に見つけることができず大人になってから発覚する場合もあります。
そのため、「インターネットの無料診断の結果を鵜呑みにする」、「自身の傾向とアスペルガー症候群の特徴が合致している」という理由だけで自身を障害だと判断してしまうことは回避しましょう。
アスペルガー症候群は、発達障害者センターなどの機関に相談や診断を受けることで早期に支援を受けられるようになり、二次障害などを未然に予防することにも繋がります。
本人にとって適切な支援を受けるためにも、主観的に自己判断せず専門機関で診断してもらうことが大切です。
受診の判断に困っている場合は、無料で相談できる身近な専門機関の相談窓口を利用するのがおすすめです。
以下の専門機関で相談できるため、参考にしてください。
●障害者就業
●生活支援センター
●相談支援事業所
アスペルガー症候群だからといってネガティブに捉えない
アスペルガー症候群の特徴は、悪く捉えがちになりますが見方を変えるとその強みが明確になってきます。
例えば、アスペルガー症候群の特徴である「こだわりの強さ」は、納得ができるまで物事に取り組むことができる、時間やルールを厳格に守ることができるという長所としてみることも可能です。
また、アスペルガー症候群の方には記憶力が非常に良いという特徴を持つ方もいます。
こだわりの強さから過去への執着も強く持つことができ、感覚が過敏なことから状況の印象が残りやすいため、記憶力の良さがアスペルガー症候群の特徴として現れることもあります。
このように、アスペルガー症候群の特性は日常生活を送ることに不便なことが多いものの、その特徴を上手に利用することができれば仕事においては他の方以上の成果を上げることも可能です。
そのため、アスペルガー症候群はネガティブなことばかりではなく、個性として受け止めることができればポジティブに捉えることができます。
アスペルガー症候群の特性が活かせる職種としては
●正確性が必要な仕事
●1人で作業を完結できる仕事
などが向いている傾向にあります。
アスペルガー症候群の特徴を活かせる仕事についてのさらに詳しい説明はこちらから!
実際に就職されたアスペルガー症候群の方のコメントをまとめた「就職者の声」はこちらから!
まとめ
- アスペルガー症候群は仕草や表情から相手の感情を読み取ることを苦手としており、相手が傷ついてしまう直接的な表現をしてしまう
- 言葉や知的の発達に遅れが無いため、大人になって気づく場合もあり、症状が重症の場合は幼稚園や保育園で発覚するケースも存在する
- 遺伝子が発症原因の要素だと考えられており、環境的な要素も関係している。
- 検査は精神科などの医療機関で行うが、出生前に検査する方法は存在しない
- アスペルガー症候群だからといってネガティブに捉えない