こんにちは、CONNECT梅田事業所の岡坂です!
今回はアスペルガー症候群ってなに?といったところから、
アスペルガー症候群の人のあるあるや、身近にアスペルガー症候群の方がいた場合にはどうすればいいのか?というところをご紹介していきたいと思います!
- 生きづらさを感じている・・・
- 周囲とのズレを感じる・・・
- 知り合いにアスペルガー症候群の方がいて関わり方がわからない・・・
上記のように、悩んでおられる方には是非読んでいただきたい内容になっておりますので
最後まで目を通してみてください。
アスペルガー症候群とは?
アスペルガー症候群は、先天性の脳の機能障害であり、発達障害の一つです。
広い意味では発達障害のうちのASDに含まれ、コミュニケーション障害、対人関係・社会性の障害、パターン化した活動、限定的な興味・感心などの特徴が見られます。
アスペルガー症候群は、古い診断名(ICD-10。DSM-Ⅳではアスペルガー障害と表記)で、現在は自閉症スペクトラム障害(DSM-5)に含まれる障害です。
自閉症と異なるのは、幼少期に言語発達の遅れが見られないこと、一見して障害があるように見えないことです。
このため発見が遅れやすい傾向にあります。成長に伴い、アスペルガー症候群の特徴がはっきりとあらわれてきますが、気付かずに適切な対応を取らずにいると、ストレスからうつ病や強迫性障害などにかかることもあります。
アスペルガー症候群の原因ははっきりとはわかっていません。
心の問題や親の育て方などは関係ありません。
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社会性
相手の気持ちを意図したり、その場の空気や、しきたりなどの暗黙の了解・社会のルールを理解するのが苦手です。また、自分の感情を表現したり、自分の発言や行動が与えてしまう印象を想像することが苦手な人も多く、その場の雰囲気にそぐわない素直すぎる、直球の発言をしてしまうこともあります。
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コミュニケーション
口調や声量の調節が苦手であったり、無表情で抑揚のない声で話したり、書き言葉や古風な言葉を使って話すことがあります。また、曖昧な表現やお世辞、皮肉などを理解することが困難で、相手の言葉を文字通り受け取ってしまう傾向があります。 このため、他人との意思疎通がうまくいかないことがあります。
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想像力
決められた手順や自分の興味ある事柄、活動などに強くこだわり、予想外の事態への臨機応変な対応が苦手な傾向があります。このため、状況にあわせたふるまいができなかったり、予定外の事態に対して柔軟に対応することに困難が生じたりします。また、気持ちの切り換えや発想の転換も苦手です。
例えば、物事の手順や配置場所、自分なりのルールにしばしば強いこだわりを持ち、周囲のルールとはずれることがあります。しかしこだわりの強さが、他人の想像力の範囲を超えるほどのユニークさを持つこともあります。自分が興味を持つ事柄への情熱や知識が突出してあらわれたりします。
アスペルガー症候群に関するおすすめ動画はこちら!▼
アスペルガー症候群の生活のあるある
アスペルガー症候群の特徴についてあげていきましたが、
続いてはアスペルガー症候群の方の生活面でのあるあるを3つご紹介します!
①決まっているルーティーンがある
アスペルガー症候群の傾向として、自分の行動や習慣に関しては自分が決めたルールにこだわりやすく、毎日の行動がパターン化しやすいといった特徴があります。
また、いつもと違うパターン、例えば朝ご飯と支度する順序や、お風呂と夕ご飯の順序が逆になるといった事を、非常に嫌がる傾向があります。また予期せぬことが起こった時にパニックになりやすい傾向もあります。
②完璧主義
興味が限定されやすい傾向もあります。一度興味を持ったものに対しては、時間を忘れてとことんのめり込む一方で、興味がないことに対してはなかなか実行できません。
また失敗への恐怖心が強く、完璧主義なところがあるため常に全力投球であり、過集中になりやすいです。そのため、時間の経過を忘れたり、疲労感を感じやすいという特徴があります。
完璧主義・白黒志向(0か100か)のため、「ああすればよかったかもしれない」「こう言えばよかったかもしれない」「本当はこうだったのに」「なんでできなかったのだろう」と理想のイメージ思考にこだわってしまい、ストレスの高い状態が続いてしまうことがあります。
③ペースを乱されるのが苦手
特定の物事を手順通りに行うことにこだわりが強く出ることがあり、見通しの立たないことに強い不安を感じます。それは、自分の知らない方法ではどんな結果になるのか想像できず、恐れや抵抗を強く感じてしまうためです。子供であればパニックになるほど混乱することもありますが、成長するにつれてそういった場面は減っていきます。
しかし、大人になってもあらかじめ説明してもらえないと、自分のペースで物事を進められないときには混乱してしまうことがあります。
アスペルガー症候群のコミュニケーションのあるある
先ほどは生活面でのあるあるでしたが、
次はコミュニケーションでのあるあるを3つご紹介していきます!
①言葉を文字通り受け取ってしまう
会話は表面上では問題なくできるのですが、言葉をそのまま鵜呑みにしてあいまいな表現やニュアンス、社交辞令などを理解することが難しいという特徴があります。そのままの意味でとらえてしまった結果、勘違いして傷ついてしまうことがあります。
また、相手の何気ない冗談などもそのまま受け取ってしまうため、対人関係を上手に築く
ことが難しくなることがあります。
例:「まっすぐ帰りましょう。」→最短ルートで、直線距離で帰らないといけない、と勘違いしてしまう。
例:「最近どうですか?」→何を聞かれているのかわからない。
②思ったことを口にしてしまう
想像力が乏しいという特性から、その場の空気を読むことや、相手の気持ちを理解して寄り添った言動が苦手な傾向があります。そのため、自己中心的な人と思われたり、キツイ言い方をしてしまい相手を傷つけたり、周りの人からひんしゅくをかうことがあります。
また、複数の人がいるところだと誰に対して発言しているのか分からなかったり、相手や環境の変化に気づかないことがあります。
③表情が乏しい
感情表現が苦手で、表情が乏しく感情が伝わりにくいということがあります。
アスペルガー症候群の方は喜怒哀楽の感情を表現することに、大きなエネルギーを使います。例えば、何かショックなことがあり辛いと感じた場合、障がいを持たない方は辛い時は「辛い」という表情や表現をしますが、アスペルガーを持つ方が辛い時、表情そのものができにくくなります。
辛いことで「無表情」という結果になってしまっているのです。
また怒られているのに反応がないため、反省していない・挑発していると相手に誤解されてしまい、相手はさらにヒートアップします。こうしてどんどんコミュニケーションが難しくなってきてしまいます。
また表情を介したコミュニケーションを円滑にする行動として,他者の表情を見た際に自発的に同じ表情を示すという表情模倣という現象があります。
アスペルガー症候群の方はその表情模倣の機能を用いることができないことが、社会性の障害の一因となっているという可能性が示唆されています。
アスペルガー症候群の人とどう付き合えばいい?
今まで特徴やあるあるなどアスペルガー症候群の方ご本人について記載してきましたが、ここからは周囲の方の関わり方について記載していくので、参考にしてみてください!
特性を理解する
同じアスペルガー症候群と言っても特性は本当に人それぞれです。
●急な予定の変更が苦手
●失敗への過度な恐怖心
●考えや思いを表現するのが苦手
絶対にこの症状があります!というものはありません。
そのため、まずはご自身・当人の特性、得意なこと、苦手なことをしっかりと理解する姿勢がとても大切です。
あいまいな表現は避け、具体的に伝える
これまででお伝えした通り、あいまいな表現や指示を理解することが難しい特性があるため、なるべく具体的にイメージしやすいように伝えることを意識してください。
時間であったり、内容、行程など実際に行動するにあたって、必要な情報を伝えることがコツです。
また図や文字のかたちでハッキリ示してもらうのもいいです。
例:「早めに仕上げてください」→「今日の〇時までに仕上げてください」
「ちょっと手伝ってください」→手伝ってほしい内容を伝える
日常生活でのルールを決めておく
日常生活の困りごとを減らすため、予め話し合ってルールを決めておくといいでしょう。
お金のことや、大切なものの保管場所など、あらかじめしっかりと決めておくことで
ルールとして確立されるので、本人の中に落とし込みやすくなります。
その結果トラブルを防ぐことにもつながりますので、しっかりと話し合う機会を設けましょう。
例:食費の出費は月に〇円までに抑える。→衝動的な買い物を防ぐため
家の鍵は〇〇に置いておく。→忘れ物・失くし物を防ぐため
「家族療法」や「夫婦カウンセリング」を受ける
社会不適応を抱えている方に加え、その周囲を取り巻く家族も対象としてアプローチをする心理療法の1つとして家族療法があります。
また、夫婦仲の修復や今後の夫婦の方向性などについて、カウンセラーの第三者視点でのアドバイスを受けることができるカウンセリング方法の1つで、夫婦カウンセリングというものもあります。
家族療法
家族を構成しているそれぞれのメンバーに加え、その間の関係性やパワーバランス、コミュニケーションの特徴などシステムとしての家族全体の機能に注目して介入を目指す、心理療法です。
家族療法の考え方では、患者とみなされる人をCl.(クライエント)ではなくIP(アイピー)と呼びます。あくまで個人の問題ではなく、家族システムが十分に機能していないことが原因と捉えて、IPの問題を解決するために家族の機能を回復させると考えです。
家族関係に焦点を当て、クライエントの困り感を家族の問題と見立てて改善を目指します。家族療法の考え方なら、個人に焦点を当て続けても改善しない問題を改善するきっかけになりえます。
夫婦カウンセリング
夫婦関係の問題は、なかなか身の回りの人には話しにくいデリケートな問題もあるかもしれませんが、カウンセラーは過去に何件もの夫婦相談に乗っており、臨床心理士の資格を持っている人や心理学に精通している人も多いため、身近な人に相談するよりも的確なアドバイスが期待できます。
コミュニケーション不和などカウンセリングを行うことで、お互いの価値観や現状認識の仕方など、共有することができるかもしれません。
ちなみにどちらも精神科や心療内科で受けることが可能です。
また、周囲の人に心身の不調が生じる「カサンドラ症候群:意思疎通や関係性を築けずに、その心的ストレスから不安障害や抑うつ状態といった症状が起きている状態」などになる恐れもあります。
自分たちだけで解決が難しい場合は上記のような療法やカウンセリングを利用することをお勧めします。
発達障害の大人への対応方法の紹介や、カサンドラ症候群について詳しく書かれている記事がございますので、是非一度ご覧ください。
【関連記事】発達障害の大人への対応は?家族はどう対応すればいい?ポイントを詳細解説!▶
まとめ
- アスペルガー症候群の方にとって、自分のことを理解してくれてサポートしてくれる方の存在がとても大切
- 「自分はアスペルガー症候群かもしれない」と思ったら、自分にはどういう症状や特徴があるのかしっかり把握する
- 医療機関での治療を受けたり、支援機関に相談してみる