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アスペルガー症候群は忘れっぽい?症状や対処法をまとめて解説!

2022.05.06

病気・障害の特性

今まで自分は忘れっぽいと思ったことはありませんか?

また仕事において同僚や上司から「何度言ったら分かるのか」と物忘れの多さに、注意や叱責をされたことはありませんか?

そこで今回の記事では、

  • そもそも忘れっぽいのはアスペルガー症候群の症状なのか?
  • 忘れないようにするための対処法が分からない

などとお悩みになられている方に対して、アスペルガー症候群の方が忘れやすい特徴とその対策について解説していきたいと思います!

アスペルガー症候群とは?

アスペルガー症候群とは、脳の機能障害である自閉症スペクトラムの中の1つです。「社会性の問題」「コミュニケーションの問題」「想像力の問題」を特徴とする自閉症スペクトラムのうち、アスペルガー症候群は、知的・言語コミュニケーション共に高いと位置づけられています。

アスペルガー症候群の特徴として、

  • 自分から積極的に関わる「積極奇異型」
  • 相手から話しかけられると応じる「受動型」
  • 周囲と関係を持とうとしない「孤立型」

の3つのタイプに分けることができます。

アスペルガー症候群についてもっと知りたいという方は関連記事もぜひご覧ください!

【関連記事】大人のアスペルガー症候群ってどんな特徴があるの?わかりやすく解説!▶

アスペルガー症候群はなぜ忘れっぽい?

ではアスペルガー症候群の方はなぜ忘れっぽいのでしょうか?
ここではアスペルガー症候群の「忘れっぽい」特徴について解説していきたいと思います。

マルチタスクができない

アスペルガー症候群の方は、「同時並行で業務を進めること」が苦手な傾向があります。一つの作業をしている際に、もう一方の作業を完全に忘れていることが多いと言われています。また、アスペルガー症候群の方の特徴として、特定分野に対して強い「こだわり」を持つ方がいます。

特定の業務に「こだわり」を持ってしまうと、何時間でも1つのことにのめり込んでしまう「過集中」になってしまうことがあります。過集中になると周囲に対して注意を向けることが難しく、他の業務と同時進行することができなくなります。そのため、やるべき業務を忘れてしまうことに繋がってしまいます。

興味がないことへの記憶ができない

先述したように、アスペルガー症候群の方は「こだわり」のある分野や自分が興味のあることに対しては記憶力が高く、仕事の能率も上がることがあります。しかし、反対に興味がないことに対しては忘れやすい傾向にあります。

例えば、「仕事に対する専門的な知識は覚えられるが、日報を書くことを忘れる」という事例が挙げられます。これは専門的なことに対する興味により、意識が「専門的な業務を行うこと」に向いてしまいます。従って、日報を書くことへの優先順位が下がってしまい、日報を書くこと自体を忘れてしまうことに繋がります。

他にも自分の中で「なぜこの業務をしないといけないのか?」と納得できないことに対しても優先順位が低くなりやすく、忘れてしまうことに繋がってしまいます。

視覚優位か聴覚優位か

そもそも発達障害の中には、「視覚優位」「聴覚優位」といった特徴があります。「視覚優位」は、目から入ってくる情報を処理する能力に長けています。反対に「聴覚優位」は耳から入ってくる情報の処理が得意であることを指します。

どちらも脳機能の偏りによる特質であるため、「視覚からの情報処理は得意だが、聴覚からは苦手」といった傾向が見られます。従って、「視覚優位」の方は耳からの情報が、「聴覚優位」の方は目からの情報が理解しづらく記憶も曖昧になってしまうことが「忘れっぽさ」に繋がってしまいます。 

短期記憶が難しい

アスペルガー症候群の特徴として、長期記憶が得意である反面、短期記憶が苦手という方が多い傾向があります。これは脳機能の特質であり、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶・処理する能力が低いことが原因と言われています。この機能は、

  • 会話
  • 読み書き
  • 計算

など日常のあらゆる判断や行動に関わっているため、機能が弱いことが原因で支障をきたすケースがあります。例えば、上司からの指示をすぐに忘れてしまう、またマニュアルを読んでも内容を覚えていられないなどの課題が現れます。更に「メモを取ること」に時間がかかるため、相手から一方的に情報を伝えられた場合は全てメモを取ることができず、忘れてしまう状況に陥ってしまいます。

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忘れっぽいアスペルガー症候群の対策 

ここまでは「忘れっぽさの特徴」を中心に解説してきましたが、その特徴を解決する方法はあるのでしょうか?
ここからは「忘れっぽさの対策」について詳しく解説していきたいと思います!

やるべきことをリスト化する

仕事で複数の作業を行う場合、また関心を持てないがやらなければならない業務に関してはリスト化を行うことで解決できる可能性があります。業務全体を整理し、可視化することにより、仕事を計画的かつ効率的に進めることが可能です。また、期限が定められている仕事では、期限も一緒に記入しておくことで優先順位も立てやすくなります。自身で優先順位や業務の計画を立てるのが難しい場合は、上司や同僚に相談し、フォローしてもらうのがよいでしょう。

また、リスト化したものは毎日定期的に確認する習慣をつけることで、日々忘れることなく仕事に取り組むことができます。過集中で確認する時間を忘れてしまう恐れのある方は、携帯のアラーム機能を活用することがおすすめです。アラーム機能により集中が途切れ、リストの内容を確認する時間や小休憩を取る時間が発生し、身体への負担軽減にも繋がります!

メモを心がける

短期記憶が苦手なため、メモを取ることを習慣づけて行うようにしましょう。先述したようにメモを取っても相手の伝達スピードが速くて追いつけない場合は、「もう少しゆっくりと話してほしい」ことを伝えて下さい。またメモを取っていたとしても、メモをしたことに満足をして見返さないといったケースも生まれます。

その対策も踏まえた上でメモを取る際は、

  • メモ帳はなるべく1つに決めて、肌身離さず持ち歩くこと
  • メモ帳やメモの付箋などを、常に自分の目につくところに置いておくこと

を心がけてください。

普段の生活の中で、自然と目が行くような場所にメモを貼っておくことで、毎日メモに触れることが可能になります。また、「メモは机の上に置き、出社時に確認する」など、強制的にメモを見ないといけない環境をつくることも有効と考えます。

適した説明方法をお願いする

先述したように、発達障害の方には、「視覚優位」「聴覚優位」といった特性を持つ方がいます。そのため、その人の特性に合った方法で説明していただくことで、聞き手側が理解しやすくなります。各特性に合った方法を詳しく解説していきます。

視覚優位の方

視覚優位の中でも、「文字で書いてもらう方が認識しやすい方」「図やイラストでの説明の方が認識しやすい方」の二つのタイプに分かれます。

前者であれば、「指示を出す際にメモに書いて渡す」「マニュアルを渡す」などが有効になります。また後者であれば、「実際に一緒に作業をやってみせる」「マニュアルは図や写真を多く取り入れる」といったことで解決することが可能と考えられます。

聴覚優位の方

聴覚優位の方はマニュアルなど文章からの理解が難しいため、「マニュアルを他の人に読んでもらう」「作業手順などは、口頭で説明する」などが有効です。

この記事に興味のある方のオススメ動画はコチラ!!

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ポジティブに変換しよう!

ここまでアスペルガー症候群の「忘れっぽい」についての特徴・対策を解説してきましたが、そもそも「自分は忘れっぽいから仕事が出来ない」と思い込んでいませんか?

マイナス思考は負の連鎖を生んでしまい、二次障害に繋がる可能性があります。そこで「忘れっぽい」という特性をネガティブに考えるのではなく、ポジティブに考えてみませんか?

例えば、

  • 短期記憶が苦手→長期記憶が得意
  • 無関心なものは覚えられない=興味のあるものは忘れない
  • 相手からの指示をうまく理解できないため覚えられない→自分の適性に合った指示方法であれば理解もスムーズで覚えられる

このようにネガティブなことをポジティブに変換することをリフレーミングと言います。物の見方をプラスに考えるだけで自己肯定感が高まり、自信を持って仕事に取り組んでいただけるのでは?と考えております!

まとめ

今回のコラムは、アスペルガー症候群の方の「忘れっぽい」ことに焦点を絞り、その原因・対策方法について解説してきました。「忘れっぽさ」は工夫次第で改善することができますが、大切なことは一人ですべてを解決しようとしないことです。上司、同僚、家族、医師など、周囲の人と協力してご自身の特性に合った解決方法を見つけるようにしていきましょう!

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