天王寺の川崎です。
現在、新しい移動先である「枚方事業所」で勤務していますので、
ご挨拶を兼ねています。
天王寺で勤めている2年の間に、
多くの利用者さんの卒業を見送らせていただきましたが、
利用者さんのお別れやお見送りは様々で、
他の利用者の誰にも言わずに
ひっそりとスタッフのみで見送られる方。
早い段階から周りに伝え、きちんと挨拶を行って卒業される方。
一部の利用者に伝え、大半は知らないままにして卒業される方。
本当にいろいろ。
突然いなくなるから、他の利用者さんからは「○○さんどうしたんですか?」なんて聞かれることも。
これがスタッフならいきなりなんていうこともできず、
数週間前、皆様に報告。
利用者さんとは長くて2年ほどの付き合いしかならないのに
通所前からずっと見てきた人たちの「就職」の場をお祝いできないのは寂しい。
転勤を打診されてからの気持ちを整理すると、その一言に尽きるのだと
振り返っているようだ。
以下は、最終日にみんなの前で伝えた挨拶を自分の大切な思いとして
もう一度文字に起こしてみることにした。
私が思う就労移行支援事業所というのは、「止まり木」であり「分岐点」のような場所。
これは、あくまでも主観。
就労移行支援事業所に通所される方たちは、社会という環境に疲れ、
それでも再び社会に出ていくための準備をしていく場所。
社会に憧れ、社会にでて飛び立ったのに、
いろいろな理由で傷ついた人たちが、羽休めをする「止まり木」として
いったん休憩し、羽を癒しながらも並行して力をため、
再び社会に飛び立つために、人生を選択する場所でありたいと思い続けている。
「止まり木」だからこそ、就労移行支援事業所は落ち着ける場所でありたいし、
安心できる場所でありたいし、パワーアップできる場所でありたい。
そして分岐点だからこそ、人生の選択を尊重し見守りたい。
そう思って独りよがりにならないように関わることが出来ているのかなと振り振り返っている。
そんな場所であるために、私は支援者として、どのような人でいればいいかと考え続け、
穏やかで緩い人でありつつも、飛び立つ怖さを一緒に応援できる人でいようと心がけたりしたりして。
そう。毎日ふざけている、おバカは天然なのではなく考えてきた行動だったといっても
みんな信じてくれないだろうけれど・・・
通所する前の利用者さんの多くは、
傷をついてきたので社会に対して不信感を持ち、自分自身に対しても自信がない人が多くて、、
それが周りのサポートや自分自身の訓練の成果を経て、就職時期になるころには、
とても素敵な笑顔をたくさん魅せてくれるようになる。
そんな笑顔の成果が、最初に書いた卒業の時間となり、
通所前から見てきたからこそ、卒業の場に立ち会えないのは寂しいと思うというのが、
最初に書いた理由に繋がるのだ。
就職という卒業は嬉しい反面、新しい環境への怖さも生まれる時間。
また傷ついたらどうしよう、上手くいかなければどうしよう。
過去を思い出して、コネクトで過ごした時間を懐かしむかもしれない。
だけど、止まり木である就労移行を通して皆さんは
一番好きな自分を再発見できたのではないかと思っています。
自分の一番好きな状態を知ったなら、就職して新しい環境で
どうすれば自分らしくいれるかを考えれることが出来ると信じています。
いつでもどこでも自分らしくいる、
そのためには、訓練で行ってきた自分のことを誰よりも深く理解することを
ぜひ思い出してください。
好きなこと嫌いなこと
自分の性格や性質
どんな時に心が揺れて悲しくなるのか
どんな時に湧き上がる楽しさを持つのか
たくさん自分を知ってください。
傷ついていた自分自身が力をつけ笑顔になった過程は、
どんな環境に行っても一つの成功体験だと自信を持ってください。
その成功体験をもって、新しい環境でも自分らしさを発揮してもらいたいと
、特に天王寺の利用者さんに向けたメッセージとして文字に落としてみました。
そして、これは僕自身に言い聞かせるメッセージとして大切にしていき
新しい環境でも「止まり木」となれるよう場所を作っていきます。
最後に利用者さんからお涙頂戴プレゼントを頂きましたので
共有させてください。
直接、卒業を見送ることはできませんが、
情報共有してもらっていますので、良い報告心待ちにしています。