こんにちは、就労移行支援CONNECT梅田の岡坂です。
今回のコラムは、「アスペルガー症候群のひとに天才型が多いのはなぜ?」という
テーマについてお話していきたいと思います!
- アスペルガーに悩むご本人
- 親御さんが「アスペルガーは、良い特徴」と思えるようにしたい
- 人と違う、なにか漠然とした違和感を覚える
- ギフテッドとアスペルガー症候群、それぞれの特徴
特に当てはまる方には、読んでいただきたい内容となっておりますので
最後までよろしくお願いいたします。
アスペルガー症候群とは?
アスペルガー症候群は、先天性の脳の機能障害であり、発達障害の一つです。
広い意味では発達障害のうちの自閉症スペクトラム(ASD)に含まれ、コミュニケーション障害、対人関係・社会性の障害、
パターン化した活動、限定的な興味・感心などの特徴が見られます。
アスペルガー症候群は、古い診断名(ICD-10。DSM-Ⅳではアスペルガー障害と表記)で、現在は自閉スペクトラム症(ASD)としてまとめて表現するようになりました。
自閉症と異なるのは、幼少期に言語発達の遅れが見られないこと、一見して障害があるように見えないことです。
このため発見が遅れやすい傾向にあります。成長に伴い、アスペルガー症候群の特徴がはっきりとあらわれてきますが、
気付かずに適切な対応を取らずにいると、ストレスからうつ病や強迫性障害などにかかることもあります。
アスペルガー症候群の原因ははっきりとはわかっていません。
心の問題や親の育て方などは関係ありません。
社会性の問題
相手の気持ちを意図したり、その場の空気や、しきたりなどの暗黙の了解・社会のルールを理解するのが苦手です。
また、自分の感情を表現したり、自分の発言や行動が与えてしまう印象を想像することが苦手な人も多く、
その場の雰囲気にそぐわない素直すぎる、直球の発言をしてしまうこともあります。
コミュニケーションの問題
口調や声量の調節が苦手であったり、無表情で抑揚のない声で話したり、書き言葉や古風な言葉を使って話すことがあります。
また、曖昧な表現やお世辞、皮肉などを理解することが困難で、相手の言葉を文字通り受け取ってしまう傾向があります。
このため、他人との意思疎通がうまくいかないことがあります。
想像力の問題
決められた手順や自分の興味ある事柄、活動などに強くこだわり、予想外の事態への臨機応変な対応が苦手な傾向があります。
このため、状況にあわせたふるまいができなかったり、予定外の事態に対して柔軟に対応することに困難が生じたりします。
また、気持ちの切り換えや発想の転換も苦手です。 例えば、物事の手順や配置場所、自分なりのルールにしばしば強いこだわりを持ち、
周囲のルールとはずれることがあります。しかしこだわりの強さが、他人の想像力の範囲を超えるほどのユニークさを持つこともあります。
自分が興味を持つ事柄への情熱や知識が突出してあらわれたりします。
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アスペルガー症候群は天才型の人が多い
アスペルガー症候群の人は、IQが高い傾向があり、一般より高い数値を示す人がいらっしゃいます。
ですが、アスペルガー症候群=突出した才能 が全員に当てはまるわけではありません。
一部の突出した才能をもっている一方で、能力にばらつきがあるアスペルガー症候群の方もいます。
その為、「アスペルガー症候群=天才型の印象」になることがあるのかもしれません。
いわゆる、ギフテッドや2Eと呼ばれますが、どちらもアスペルガー症候群とは全く違うものになります。
なかなか聞きなれない言葉だと思いますので、一つずつ解説していきます!
【関連記事】アスペルガー症候群の人の”あるある”とは?友人・家族にいたらどうすればいい?▶
突出した能力を持つギフテッドとアスペルガー症候群の違い
ギフテッドは、遺伝によるものなのか、環境によるものなのかというところですが、遺伝と環境とその両方が影響しています。
特徴として、自分の得意分野に関して強い関心を持ち、周りのことが目に入らないほど極端にこだわりを持ちます。
そしてこの極端なこだわりが原因となって、集団になじめなかったり、対人関係がうまくいかないことがあります。
対人のコミュニケーション能力の特徴から、一見するとアスペルガー症候群であるように感じられ、そのままアスペルガー症候群と診断される場合があります。
ギフテッドの中でも、全体的に能力が高い特徴があるのを、英才型といいます。
ギフテッドの一部の特徴としては、記憶力が並外れている、論理的思考力に優れている、などがあります。幼少期ではなかなか気づきにくい所ですが、小学校にあがると他の生徒に比べて飲み込むスピードが格段に早い、クラスみんなをまとめ上げられるようなリーダーシップをとる、ということがあります。
また他の特徴をアスペルガー症候群の特徴と比べると
●完璧主義
●他が目に入らないほどの集中力の高さ
●心と体の発達の度合いが違うため独特の感性を持っている
<アスペルガー症候群>
●こだわりが強い
●特定の事象への強い興味
●感覚過敏や独特の捉え方
上記のように、似ているように思われる部分もいくつかあるため、
「アスペルガー症候群=天才型」と思われる傾向にあり、ギフテッドとアスペルガー症候群が誤解される場合があります。
アスペルガー症候群の天才型 “2E”とは
2Eとは「twice-exceptional」のことで、「二重に特別」という意味です。
ギフテッドと発達障害を併発している状態のことで、ずば抜けた得意分野がある一方で、苦手分野はとことん苦手である傾向にあります。
問題点としては、マイナス面が目立つことがあり、周りや本人が突出した才能に気付けないことがあります。
天才型のアスペルガー症候群の特徴
●好奇心旺盛で、色々なことに疑問を持ち質問が絶えない
●幼い頃に、想像上の友達がいる
●コミュニケーション能力が低い
細かく分けると様々ありますが、2Eの中でも個人個人で特徴が違います。
そのため、これさえ当てはまれば2Eと断定できるわけではありません。
大きな特徴でいえば、最初に記載したように、ずば抜けた得意分野がある一方で、苦手分野はとことん苦手であるということです。
アスペルガーはIQが高い傾向
一般の人の値が85~115というのに対して、アスペルガー症候群の人は115以上の非常に高い値を示す場合があります。
ですが、高低差に幅があり、高い時と低い時の差があり、思考能力にバラつきがあります。
幼い時にIQが高い値を示した方は、おとなになってからも高いIQを維持している場合があります。
1つのことに没頭する
興味のあることに対しては、とことん突きつめるため大成しやすい傾向にあります。
独自の感性や発想で、他の人では成しえないことを成し遂げる人もいるため、こだわりの強さを武器にすることができる
論理的思考をする
物事を結論と根拠に分け、その論理的なつながりを捉えながら物事を理解することができます。
これはどんなことでも応用が利く基礎の部分の力になりますが、注意しないと会話の相手を追い詰めることもあるため、気を付けることが必要です。
アスペルガー症候群の人が能力を発揮できるかは環境しだい
この記事で記載したように、アスペルガー症候群の方の特徴としては得意不得意が顕著に現れます。
そのため、本人の能力を多いに発揮できる周りの環境がとても大事になります。
マイナスな面ばかり目立ってしまって、ついそこばかり見てしまいがちですが、いろんなことにチャレンジでき、その人の可能性を見つけられるような環境を整えることが大切です。
またご自身がアスペルガー症候群であるなら、自分で可能性を小さくするのではなく
興味があること、あるけれど周りの協力が必要なことなど、できるかわからなくてもやってみないと分からないことが大半ですので、
「一度やってみる」ということをしてみてください!
まとめ
- アスペルガー症候群とギフテッドと2Eは違う マイナス面だけでなく、可能性を広げられるよう一度やってみる!
- ギフテッドは全体的に能力の高い天才型・ギフテッド+発達障害の2Eに分かれる
- 一人一人特徴は違うため、いろいろな事にチャレンジできる環境が大切
- マイナス面だけでなく、可能性を広げられるよう一度やってみる!
自身のできないこと・苦手なことばかり意識するのではなく、できるかできないかは別にして、一度やってみることで可能性をどんどんと広げていきましょう!
一人では難しい・環境が整えられない、ということでしたら是非、最寄りの就労移行支援事業所CONNECTにお問い合わせください。
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