こんにちは!
就労移行支援事業所CONNECT新大阪の竹原です。
今回の記事では
●独り言が多い人の独り言を言う理由
●アスペルガー症候群の人の独り言への対応
について解説していきたいと思います。
ぜひ最後までよろしくお願いいたします。
- 身近にアスペルガー症候群の人がいて、独り言が気になっている方
- アスペルガー症候群の人が独り言を言う理由が知りたい方
- 周りに独り言が多い人がいて、気になっている方
そもそもアスペルガー症候群とは
まずアスペルガー症候群がどういったものなのか解説していきます。
アスペルガー症候群とは、「自閉症」のひとつに分類されており、
「社会性」「言語コミュニケーション」「想像力」の3つの障害を持つ発達障害です。
言葉や知的等の遅れはありませんが、
- ・その場の空気を読むこと
- ・暗黙の社会的ルール
などを理解することが難しく、悪気なく一方的に自分ばかり話したり、人が傷つくことを伝えてしまったりします。また、自身の行動パターンに強いこだわりがある人もいます。
※アスペルガー症候群は現在、自閉スペクトラム症(ASD)と表現されています。
対人関係の困難さが合わさることで、人づきあいを避け、ひとりで自分の好きなことに没頭することを好む人も少なくありません。
その反面、情報を集めることが得意で、機械的に記憶するような場面においては優れた成果や成績を出すことがあります。
アスペルガー症候群についてもっと詳しく知りたい方は関連記事もご覧ください!
【関連記事】アスペルガー症候群の治療方法とは?検査はどうやってやるの?▶
アスペルガー症候群の独り言とは
ではアスペルガー症候群の独り言とはどんなものなのでしょうか?
解説していきたいと思います。
アスペルガー症候群の人の中には、独り言が目立つ人もいます。これは子どもだけではなく、大人の方にも見受けられる特性です。
アスペルガー症候群ではない人も、一人でいるときに独り言を言う人は多いと思います。これは何かを忘れないためや、テレビに対してツッコミを入れるときによくあることです。
しかしその一方で、人前にいるときには独り言を控えることが多いです。
それに対して、アスペルガー症候群の人は、人が周りにいるから独り言を控えるということが難しいため、独り言が多いという印象を持たれることがあります。
以下のようにアスペルガー症候群の独り言にもいろいろなパターンがあります。
さっそく見ていきましょう。
同じことを繰り返して言っている
お気に入りの言葉を、何度も繰り返し使うという事もよくあります。
この時に場面を問わず、独り言として同じことを繰り返し話してしまうことがあります。
また、情報を得た時にメモなど記録できる状況になるまで忘れないよう、ブツブツと繰り返し呟くといったこともあります。
他にも、理解できないことを理解しようと繰り返し言葉に出して言うというケースもあります。
だれかの発言に反射して言っている
耳に入ってきた言葉から連想される言葉を反射的に言ってしまうという事もあります。
聞いた言葉をなぞるように繰り返す、脳内で出てきた言葉がそのまま口から出てくるなどです。
考えていることをそのまま口に出して言っている
思考や作業の進行状況を声に出して実況したり、行動の流れを確認する時に声に出して言ったりすることがあります。
また、目に入ってきた情報をそのまま口にすることもあります。
- 例①:「今日は朝に読書をしてから、午後に○○映画館に行こう」
- 例②:街中の看板を見て、「○○株式会社」、「○○ビル」など書いてあることをそのまま言ってしまう。
アスペルガー症候群の人が独り言を言う理由
ではなぜこのような独り言を言うのでしょうか?
次の4つの理由に分けて解説したいと思います。
●周囲の声・音に反射して言う癖
●思ったことを口にしてしまうため
●声に出すことで頭を整理している
自分を安心させるため
不安に思っていることなどを口にすることで安心感を得ることができます。そのため、自分を安心させるように、独り言が習慣化されていることがあります。
このような独り言は、アスペルガー症候群ではない人でも、周りに誰もいないときには言う事があるはずです。
ただ、アスペルガー症候群の人の場合、人がいる時といない時での臨機応変な場面に応じた対応が難しいことが理由である可能性があります。
周囲の声・音に反射して言う癖
電車のアナウンスの続きを先だって言うなど、単語に対して自分の想像が結びついたものを言葉として発してしまうことがあります。
ある特定のフレーズや場面から連想されたことをそのまま反射的に発するという癖がある方は、こういった独り言を言ってしまうかもしれません。
思ったことを口にしてしまうため
場面の読み取りや、自分がこう言えば相手はこう思うだろうという想像が難しい場合があり、思ったことを口に出してしまうことがあります。
話の本筋に関係のない話を急にすることもあり、独り言として捉えられることもあります。
また、人の容姿に関してなど思ったことをそのまま口にしてしまうことで、失礼な人と思われてしまう可能性も考えられます。
不満に思ったことや愚痴を本人が目の前にいるのに、大声で話してしまうこともあるかもしれません。
声に出すことで頭を整理している
アスペルガー症候群ではない人も、口には出さずとも、心の中で考えたり話したりして言語化していることもあります。
しかし、アスペルガー症候群の人は黙々と考えることや読むといった内部言語を処理することが苦手な人もいます。
そのため、考え事を整理するために独り言として現れていると考えられます。
アスペルガー症候群の人の独り言への対応
最後に、アスペルガー症候群の人の独り言への対応の仕方を考えてみましょう。
独り言がふさわしくない場面であることに気が付いていない場合に関しては、やめるように伝えることで、やめられることもあります。
しかし、その人にとって独り言が必要なことや、やめられない場合もあります。
その場合は無理に止めさせることはかえって本人に悪影響なので、見守ることも大切です。
前述のとおり自分自身を安心させるために習慣化していることや、考えをまとめていることもあるからです。
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まとめ
- アスペルガー症候群ではない人でも独り言を言うことはある。しかし、アスペルガー症候群の人は周りに人がいても独り言をいうため、独り言が多いというイメージを持たれやすい
- 独り言の原因として自分を安心させるためや、思ったことをそのまま口に出してしまうことなどが考えられる
- やめるように伝えることでやめられることもあるが、その人にとって独り言が必要な場合もあるので見守ることも大切