こんにちは!
就労移行支援事業所CONNECT梅田の新谷です。
皆様の中で、
- 「わたしのお母さん、他の人とちがう…?」
- 「お母さんの束縛がすごくて自由にできない。」
- 「お母さんの話し方が独特で・・・」
- 「どうやってお母さんと関わり方がわからない。」
と思ったことある方、またはそう思っている友人・知人の方はいらっしゃいますか?
もしかすると、そのような悩みをもつ方のお母さんはアスペルガー症候群かもしれません。
また、お母さんと関わって体調不良になりやすい方、もしかしたらカサンドラ症候群の可能性があります。
- アスペルガー症候群の母親との関わり方について知りたい
- カサンドラ症候群ってなに?
- 母親と上手くいかないのは自分のせい?
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カサンドラ症候群とは?
カサンドラ症候群とは、パートナーや家族がアスペルガー症候群(ASD)のために関わることで、精神的苦悩や疲弊が大きくなり、コミュニケーションや情緒的な相互関係を築くことが難しく、不安や抑うつなどの心身の不調をきたす状態のことを言います。
カサンドラ症候群は、病気ではないため、正式な疾患名もなく「カサンドラ情動剥奪障害」「カサンドラ状態」と表現されることもあります。
また、親子間では、親に愛されたい、認められたいと思う時期に、興味を持ってもらえなかったり、突然頭ごなしに怒鳴られたりする毎日だった方もいらっしゃるかもしれません。
アスペルガー症候群の母親の特徴
何事もコントロールしてくる
- ・世間の多くの人を批判し、自分が正しいと話す
- ・自分の自慢話が多い
- ・自分が正しいと思っていることは、相手が嫌がっていても、するまで強制的に言い続ける
感情的になりやすい
- ・家事を行う順番があり、それが思い通りに進まないと怒る
- ・急な用事をお願いすると「今はこれをしないといけないのに!と怒る
- ・人の悪口などを、ずっと聞かされる。
「さっきも聞いたよ」や「そんな風に言っちゃだめだよ」と言うと「私の話を聞いてくれないのか!」と怒ってしまう
片付けられない
- ・物に対して、必要か不必要かの順位をつけることが難しいため、物が溢れる
- ・床に物が散乱している
- ・どこから片付ければよいかわからなくなり、様々な箇所を同時に片付けようとする
融通が効かない
- ・〇時にはご飯を食べるなどの自分ルールを、その時の状況関係なく実施する
- ・急な予定変更に対応するのが難しく、行動に移せない
- ・並んでいる列で、通行の妨げにならないよう空けている箇所を空いていると勘違いして割り込んでしまう
うっかりミス
- ・明日はお弁当いる日!と覚えているのに当日になって忘れている
- ・熱湯をプラスチックのボトルに入れて変形させる
- ・空の汚れたお弁当箱を持たせられる
そもそもアスペルガー症候群とは?
アスペルガー症候群とは、古い診断名(ICD-10。DSM-Ⅳではアスペルガー障害と表記)で、現在は自閉症スペクトラム(ASD)と表現されています。
自閉症スペクトラムは、
●アスペルガー症候群
●高機能自閉症
●自閉症
の3つに分けられます。
アスペルガー症候群はこれら3つの中でも能力が「高い」と位置付けられています。
特徴としては、
- ・暗黙のルールが理解できない
- ・回りくどい難しい表現を使い
- ・言葉の裏の意味を読み取ることが困難
以上のような特徴があります。
変化を嫌い、こだわりを持ちます。
そのため、急な予定変更等によってパニックを起こす事もあります。
これらは大人になって仕事上などの問題が生じて、初めて自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)と診断されるケースもあります。
アスペルガー症候群についてもっと詳しく知りたい方はこちらから
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アスペルガー症候群の母親との関わり方
アスペルガー症候群の母親との関わり方として、相手の特性を理解した上で、
母親と自分に合った方法を見つけることが重要になります。
スルースキルを身に着ける
- ・ネガティブな言葉を受け流す
- ・物事を俯瞰してみ見る癖をつける
- ・2人きりの時間をなるべく作らない
伝えたいことは具体的に、視覚的にする
- ・メールやメモなどの文書で伝える
- ・図や文字などの視覚情報を交えて伝える
そもそも期待しない
- ・自身が考える理想の親や友人の親と比べない
- ・受け入れるのではなく、理解する
自分を好きになる
- ・友人や仕事先の同僚、先輩に自分のいいところを言ってもらう
- ・好きなことをしている自分を好きになる
母親と距離を置く
- ・必要以上に関わらないようにする
- ・外出をする
- ・同じ部屋にいないようにする
- ・可能であれば離れて暮らす
自分がカサンドラ症候群だと思ったら
もし自分、または友人・知人がカサンドラ症候群ではないかと疑われる場合は、
- ・精神科や心療内科に相談する
- ・公認心理師や臨床心理士などのカウンセリングを受ける
-
・発達障害者支援センターに相談する
- ・地域包括支援センターに相談する
等を検討してください。
また、急に専門機関に相談するのは・・・と考えている方は、
同じ悩みを持つ人が集まる自助グループへの参加を検討してください。
自助グループへ参加することで、
- ・実際に実践したことがある対処法を共有できる
- ・新しい対処法を同じ悩みをもつ人と考えることができる
- ・悩んでいるのは自分だけではないないと不安が軽減される
- ・自分だけが悪いわけではないことを安心できる
など、カサンドラ症候群が改善される可能性があります。
自分のことが嫌い、愛せないという方へ
カサンドラ症候群の主な原因は、
- ・家族等でアスペルガー症候群のある方と接することで生じるストレス
- ・当人の苦しみが家族や周囲の人に理解されず、孤立した状態に置かれる
ことだと考えられています。
その中でも、周りの理解を得られず、孤立した状態に長い間置かれると、
相手と上手くいかないのは「自分が原因かもしれない」と自分を責めてしまうことがあります。
また、その考えが継続すると、相手と上手くいかない「自分が嫌い」と思い詰めてしまう方がいます。
しかし、あなた“だけ”に原因があるわけではないことが多いです。
原因は、その時の状況、お互いの認識のズレ、お互いの身体的・精神的状態など、様々です。
上手くいかない原因を自分の中だけに探すのではなく、
「自分だけのせい」と思った時こそ1人で抱え込まずに、上司、同僚、友人等身近な人や専門機関などに相談してください。
カサンドラ症候群の改善方法として、第三者に相談し、周りからの協力を通して解決していくことが有力とされています。
まとめ
- アスペルガー症候群は現在、自閉症スペクトラム(ASD)と表現される
- アスペルガー症候群の母親は、うっかりミスが多い、感情的になりやすい、融通が利かない等の特徴がある
- カサンドラ症候群は障害名ではなく、あくまで状態を表す言葉
- 母親との関係が上手くいかないのは、自分だけのせいではない
- 1人で悩まず、専門機関など第三者に相談することが大切