みなさんこんにちは!
CONNECT豊中事業所の吉田です。
今回は、精神障害をお持ちの方の職の困り事は?ということや、就職準備の方法やどんな働き方があるのかといったところをご紹介していきます!
精神障害のある人は就職でどんなことに困りやすい?
まず、精神障害とひとことで言っても多様な疾患や症状があります。
●双極性障害(躁うつ病)
●不安神経症
●適応障害
●統合失調症
●強迫性障害
疾患によって症状は様々です。多様な障害特性がある中で、「就職する」「働く」ということには、必ず不安が付きまといます。
ただでさえ新しい事にチャレンジする時には勇気が必要ですよね?就職する上の不安要素は、
1.就職活動中
2.入社してから
の大きく2つに分けることができます。
では次に上記2つの具体例を紹介します。
面接のときにどう説明するかわからない
就職活動において面接は必須ですよね。
面接は自分自身をプレゼンする場ですから、自分の得手不得手や障害について把握して伝える必要があります。
そこで以下のような不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
●どのように障害について説明したらいいか分からない
●自己アピールや長所短所の伝え方が分からない
精神障害は目に見えないから理解されにくい
無事に入社し、障害を打ち明けたとしても、上記の理由で理解してもらいづらいかもしれません。
例えば、統合失調症は疲れやすく集中力を保つことが難しい、うつ病は何事にもやる気が出ず疲れやすいという特性があります。こういったことは、職場の人に「そんなの気の持ちようじゃない?」「誰だってそういう時あるよ」と言われかねません。そのような、理解されないのではないかという心配もあるでしょう。
再発が不安である
また、慣れない環境下で頑張った結果、プレッシャーや心身の負担を感じる場合があります。
●仕事が不安で夜眠れなくなったらどうしよう
●また休職や退職に至ってしまったらどうしよう
このように就職には、精神障害ならではの不安や困り事も伴うでしょう。
そこで、不安を払拭するには事前準備が非常に重要となるのです。
精神障害がある人の働き方
事前準備として、まずは自分に合った働き方を探さなくてはなりません。働き方は、ざっくり勤務時間の違いであるフルタイムとパートタイムの2種類に分けることができます。そして、障害者雇用と一般雇用といった雇用形態があります。それぞれどのような違いがあるのか順にみていきましょう。
障がい者雇用
障害者雇用は、障害のある方がそれぞれの特性に合わせた働き方ができるよう、企業が障害のある方を雇用する制度で、様々な障害に応じた合理的配慮を得ることが可能です。労働条件や労働環境、仕事上のサポートなど、配慮してもらうことが可能となります。原則として「障害者手帳」の所持、最低週20時間以上労働といった条件を満たす必要があります。
(障害者手帳の取得を考えている方はこちら!)
※ 精神障害でもアスペルガーでも、手帳取得のための申請方法は同じです!
一般雇用
オープン就労
雇用主に障害を開示し、理解の上で就労することをいいます。自分の病気や障害のことを十分理解しておく必要があります。予め障害特性を伝えることで、業務内容や配属先への配慮を受けることができ、職場定着へと繋がるでしょう。オープン就労であれば、本人の状態を理解してもらった上で働けるため、安心感があります。
クローズ就労
雇用主に障害を伝えずに就労することをいいます。職場内の配慮や理解は一切ありませんので、仕事量や労働条件は健常者と同じになります。また、困った時にサポートは得られませんので、自分で解決できる能力が必要になります。ただし、正社員登用が多く給与水準が多い、求人数や求人職種が多い、キャリアアップしやすい等のメリットがあります。
精神障害がある人はどんなところに就職する?
それでは、働き方の説明に続いて、精神障害を持っている人が実際にどんな業種・職種や条件働いているのかをみていきたいと思います。
精神障害者の平均月収と労働時間
精神障害者はどれくらいの給与を受け取っているのでしょうか。
所定労働時間別にみていきます。
なお、一般雇用の賞与を除いた平均月収は約30万円になります。
所定労働時間が30時間以上の場合、18.9万円
20時間以上30時間未満の場合、7.4万円
20時間未満の場合、5.1万円
ちなみに、精神障害者の約7割が時給制で働き、精神障害者全体の平均月収は12.5万円です。
一般雇用の給与に比べると低くなっていますよね。それは、職場環境の整備や障害特性に配慮するツールの導入、人材確保など、働きやすい環境の提供のためにコストが掛かっていることが影響しています。
精神障害者の仕事内容
精神障害者の方がどのような職種で活躍されているかを紹介していきます!
事務・軽作業・製造・接客・清掃・介護・調理等があり、産業別でみていくと「運搬・清掃・包装等の職業」が33.9%と最も多く、続いて「事務的職業」が24.6%、「サービスの職業」が11.7%、「生産工程の職業」が11.5%を占めています。
職種によって求められる能力やスキルは様々で、忍耐力や体力が求められるもの、対人能力、対応力、連携力が求められるもの、パソコンスキルや電話応対などの職業スキルが求められるものなどがあります。また、同じ職種でも業種や会社の求める業務量、配慮などによって、仕事内容は様々です。
精神障害がある人のための就職準備
ここまで精神障害のある人の働き方や職種、労働条件といったところについて記載してきました。簡単にイメージしていただけましたでしょうか?
ここからは、実際に働いてみたいと思った方のために、具体的にどんな準備が必要かを紹介します!
-
- ①安定就労ができる体調を整える
- ②自分が体調を崩した原因と対策を考える
- ③今の自分に適した就労条件を決める
安定就労ができる体調を整える
まずは安定して働くことができるように体調を整える必要があります。
ここでいう「安定」とは、下記2点の状態をいいます。
・日常生活や通勤などの体力的に問題がない状態
・欠勤が少なく安定して就労できる状態
自分が体調を崩した原因と対策を考える
いくら健康や生活に注意していても、病気の再発や急な体調不良は有り得ます。
その際は、まず、過去に自分が病気を発症したときを振り返り、原因を分析しましょう。そのうえで、どのようにすればそのときの状況が発生しないかを考えていきます。
今の自分に適した就労条件を決める
体調が整い、障害特性の対策が考えられれば、最後に自分が応募する就職先の条件を決めていきましょう。
条件とは、就業場所や雇用形態、職種や仕事内容、年間休日数、賃金形態、昇給や賞与の有無などです。自分の希望の就労条件を明確にしておかないと、行き当たりばったりの選択になり、就業してから後悔することにつながります。具体的には、自分の価値観や生活スタイル、体調と合わないなどです。条件や優先順位を設定し、自分に合った企業に応募しましょう。
まず重要なのが、その会社での仕事内容が自分に合っているかということです。就業後に、思ったよりスキルを求められてしんどかったとか、思ったより人と関わる機会が多くて大変だったなどということが無いように、企業研究を行い、具体的な仕事内容と社風と自分自身をマッチングします。
また、通勤時間が長い、時間外労働を求められる、など、自分がストレスを感じる要因がないような職場を選ぶことも大切です。
就労条件を明確にして自分の軸を持った上で就職活動をしていきましょう!
精神障害のある人はどんなところに就職する?
CONNECTでの実例をご紹介します!
うつ病Aさんの就職事例
ネガティブで生活リズムが整えられなかったAさんは、現在フリーランスWebデザイナーとして活躍されています。Aさんは朝にやる気が出ず、時間通りの出勤が出来ませんでしたが、散歩などの運動プログラムへの参加を通して生活リズムの見直しから行いました。また、コネクトで支援員との関わりの中で自己肯定感が高まり、ポジティブ思考に変われたようです!卒業後は福祉×ITの力でやさしい社会の実現に専念されています!
不安障害Bさんの就職事例
営業職に従事してきたBさんは、障害特性の発作により退社となりましたが、コネクトに通所後、自己理解を深めたことにより体調が安定していきました。また、軽作業訓練に取り組んだことで、病気や障害特性についてより深く知ることができ、発作が出た時の対処法を学ぶことが出来ました。今では、支援員からの提案により、前職の経験を活かして就労移行事業所の支援員としてご活躍されています!
統合失調症Cさんの就職事例
特例子会社にて介護付き有料老人ホームで清掃の仕事を行っているCさんは、仕事にやりがいを感じ、新たな仕事を打診されるほど、信頼を得ておられます。コミュニケーション不足によるズレが生じた時は、積極的な関わりによって連携強化に繋げることが出来ました。今でも資格取得や異業種への挑戦など、さらなる高みを目指してチャレンジを続けています!
まとめ
- 就職する上での不安要素は、就職活動中と入社してからの大きく2つに分けることができる
- 雇用形態は障害者雇用と一般雇用の2種類がある
- 安定就労のためには健康であることが重要
- 病気の発症予防のためには障害特性の自己理解と配慮事項の明確化が重要
- 自分自身と企業のマッチングのためには就労条件の明確化が重要