こんにちは!
天王寺事業所の車谷でございます!
皆様暑い日が続いておりますが、如何お過ごしでしょうか?
水分や栄養 をしっかり摂り、体力を維持していきましょう!
さて、今回は不安障害と仕事について解説していきます。
突然ですが、皆様の中にはこんなお悩みを持ちお仕事をされている方はいらっしゃいませんでしょうか?
・突然、動悸、息の詰まるような息苦しさが突然襲ってくる
・大勢の人の前や、重要な面接・テストで緊張して汗をかく、赤面する
・指示されたことを自分の気が済むまで確認する
・他人の目線が必要以上に気になる
・自宅の鍵を閉めたのか何度も不安になる
上記の様な症状は「不安障害」に該当します。
ここからは、不安障害と仕事について詳しく解説していきます!
- 不安障害で仕事を休んでいる人
- 不安障害の影響で仕事を休職するか悩んでいる人
- 不安障害を抱えた状態で仕事を継続する方法を知りたい人
- 不安障害の治療方法を知りたい人
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不安障害とは?
不安障害とは、
・不安
・心配
・恐怖
大まかに不安障害は以下の4つの障害に分類されます。
・パニック障害
・社交不安障害
・強迫性障害
・全般性不安障害(GAD)
それでは一つずつ解説していきたいと思います!
パニック障害
パニック障害は不安障害の代表的な障害です。
「このまま死ぬかもしれない」と思うほどの発作が何の前触れもなく突然起こります。
そして、「また発作が起きるのではないか?」という過度の不安により行動が制限されます。
症状
主な症状は以下のようなものが挙げられます。
・動悸がする
・体の震え
・呼吸が苦しい
・息の詰まり
・身体から汗が噴き出す
・顔や体の火照り
社交不安障害
人前で「汗が止まらなくなる」「手や声が震える」などの身体的症状が起こることを恐れ、日常生活や対人関係で影響が出やすい障害です。
症状
主な症状は以下のようなものが挙げられます。
・人前での会話や文字を書くことが怖い
・電話で人と話すことが怖い
・人前にでると顔が赤くなってしまう
・人の視線が必要以上に気になる
・人前で食事ができない
強迫性障害
強迫性障害とは、主に「強迫観念」と「強迫行為」2つから成り立つ障害です。
強迫観念
「手が汚れているのではないか?と気になる」など対象物のない不安や、「家の鍵を閉めたか気になる」など、特定の対象物に対しての不安、又は恐怖のことを強迫観念と言います。
強迫行為
強迫観念を打ち消すために、繰り返す行為のことを指しています。例えば、「手が汚れていれば、そのことに関して、1日に何百回もの手洗いをする」「通勤途中にも関わらず何度も家の施錠を確認しに帰る」などがあります。
症状
主な症状は以下のようなものが挙げられます。
・何度も手洗いをする
・自宅の鍵の開け閉めの確認
・ガスの火の元の確認
・忘れ物等の確認
・テレビのリモコンが対称になっていないと気が済まない
全般性不安障害(GAD)
日常生活の中で、漠然とした不安や心配が慢性的に持ち続ける状態のことを指します。慢性的な不安と心配によって、徐々に身体・精神症状が現れ、不安が大きくなるにつれて悪循環になっていきます。
医師からは「不安障害」と診断されることが多くあり、治療方法は「薬物治療」・「認知行動療法」が中心となってきます。原因がハッキリとしていない未知の障害ではありますが、ストレス状態や自律神経の障害などが発症要因の一つではないか?とも言われています。
不安障害でも仕事を続けていくことは可能?
症状にあった適切な対策をしていくことで、不安障害を抱えながら仕事を続けていくことは可能です!
まずは不安障害の影響で仕事にどのような影響が出るのかをみていきましょう!
1.密室や閉鎖的な空間が苦手
不安障害により、日常生活で不安や緊張を覚え、頭痛、吐き気を感じる方も多い傾向にあります。これらの経験は特に人混みが多い環境で起こりやすく、「電車やバス等の公共交通機関、エレベーターの様な密室空間に苦痛や恐怖を覚える」といった悩みを抱える人が多いです。
2.人の視線や評価が過度に気になる
不安障害の方は周囲の人の視線に過敏傾向が多く、「自分は他人から見られているのではないか?」という思いから不安に結びつくことがあります。また、他人からの評価を過敏に反応してしまうことによって、常に自分が批判されているような気持ちにもなってしまいます。
人に対しての恐怖があるため、少々注意を受けたりすると帰宅後も気持ちを切り替えることができなくなります。いつまでも果てしなく落ち込んだ気持ちを引きずる場合もあり、その経験がトラウマとなって、対人恐怖心が日に日に増してしまうという方も少なくありません。
3.人と接することに恐怖を感じる(対人恐怖症)
初対面の人と話す時際、緊張することはありますが、仕事が手につかない程の日常生活に支障をきたすほど緊張してしまう場合は、対人恐怖症の可能性が高まります。不安障害をお持ちの方に多くみられる症状の一つです。
主な悩みとして、
・人と接することに極度に恐怖を感じて、その緊張からうつ病を併発した
・電話応対が苦手で過度に緊張してしまい、内容が飛んでしまう
・過剰な対人緊張から胃痛や頭痛等、アレルギーの悪化を起こす
・他人が叱責されているのを聞いているだけでも疲労感がある。
・接客中に、お客さんとを目線を合わせるのが怖くなってしまい、緊張して手元が狂う
・うまくコミュニケーションが取れずに、自分がどう思われているかが常に不安になる
4.人と食事をすることに恐怖を感じる(会食恐怖症)
人と接する場面でも、食事をすることに恐怖を感じる方もいます。
仕事での昼食時に、「ランチを一緒に行かなければならない」「飲み会に誘われる」などの機会があります。
主な悩みとして、
・食事に誘われるときに不安や緊張を招く
・接客業の場合、お客様とご飯の話をしたりご飯の匂いだけでも吐き気がする
中々理解してもらえない症状ですが、自らを会食恐怖症であることを伝え、周囲の協力によって会食に参加できるようになった例もあります。
5.症状が出ることへの不安
不安障害の症状には、
・突然の動悸やめまい
・窒息感
・パニック発作
一度経験することで、「症状が再発した場合どうしよう」という不安を常に抱えることもあります。
主な症状として、
・仕事で不安なことがあるときすぐに吐き気がする
・仕事中にパニックを起こすことや予期不安が強く、「発作が起きたときどうしよう」と不安なことばかり考えつく
・症状がいつ発症するかわからないことで、クライアントとの商談が不安
・常に症状への不安を抱えていることにより、仕事に集中することができない
症状が悪化した場合の対処法
それでは、前項の仕事での悩みに沿ってそれぞれの対処法を解説していきます!
1.密室や閉鎖的な空間が苦手
対策としては、
・電車やバスといった公共機関は、信頼できる人と一緒に乗る
・仕事での通勤の際は、片道15分程度の場所と決めておく
・在宅での仕事をすることによって、通勤でのストレスを無くす
また、今後お仕事を探される方は、「求人条件に通勤時間が短い」「在宅勤務可能か?」を求人探しの条件に加えることも一つの方法です。
2.人の視線や評価が過度に気になる
対策としては、
・自分を責めすぎずに、まずは客観的事実を受け入れること(感情を入れすぎない)
・自責思考になる傾向があるので、もしも他責にした場合どうするのかを紙に書く
・職場では障害の開示はせず、「人前にでると緊張してしまう」ということを伝えておく
・周囲を意識しすぎず、自分の仕事だけに集中する
3.人と接することに恐怖を感じる
対策としては、
・電話対応が苦手であることを伝えて、電話対応への配慮を頂く
・電話対応でお客様へ確認することの確認リストを作成する
・障害を開示して、「人前が苦手であるが機械操作は得意」といった自分に合った業務を任せてもらう
これらのように、人と接することが苦手であることを伝えてみたり、自分が働きかけることで悩みが解決できることがあります。そのために、「何が苦手で何が得意なのか?」自分自身のことをよく分析する必要があります。
また、対人恐怖症のある方にとっては、社内でのコミュニケーションも過度な緊張や恐怖を感じるのも一つかもしれないです。「休憩は一人で取りたいです」といった要望を伝えることによって、気持ちを理解してもらえることもあります。自ら働きかけて、過ごしやすい環境を作っていきましょう。
4.人と食事をすることに恐怖を感じる
対策としては、
・自分の病気に理解してくれる人をみつける
・用事を済ませた後に昼食をとるなど、お昼休憩を少しずらして摂る
・弁当を持参していくことで、他人と会食することを避ける
・疲れやすいことを正直に伝えて、お昼は一人で過ごす
・自分の過ごしやすい飲食店を見つけてそこを利用できるように、幹事を引き受ける
特に障害を理解してくれる方には、自分の行きたいお店や入れそうな雰囲気のお店を選ばせてもらうように伝えていきましょう。途中で食事が摂れなくても「無理に食べなくていいからね」などと言ってもらえる方であれば安心して食事を摂ることができるでしょう。
5.発作が出ることへの不安
対策としては、
・職場へ障害を開示して、何かあった時のために同じ時間帯の勤務人数を増やしてもらう
・不安が起きにくいように仕事のポジションの設定や休憩の配慮をお願いする
・調子が悪いときには静かに落ち着けるところでできる作業に回してもらう
このように具体的には、職場の方々に不安障害への理解があると様々な協力を得ることができます。
・どのような場面が特に苦手なのか?
・何に不安を感じるのか?
・症状が出るとどうなるのか?
・症状が出た時にどのように対応をしてほしいのか?
どうしても症状で辛い時は、無理をせず休職をしましょう。
休職の期間、条件は各企業によって異なりますので、事前に条件を確認しておきましょう。
休職の際には、金銭面での不安があると思いますので、下記の動画より傷病手当金制度を参考にしてみて下さい!
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不安障害の治療方法とは?
不安障害の治療方法は大きく分けて薬物療法と精神療法の2つあります。
まずは、薬物療法から解説していきたいと思います!
薬物療法
SSRI
抗うつ薬の一種であるSSRIとは、不安障害の治療で多く使われている薬です。
脳内物質「セロトニン」の濃度を高めることによって、不安や恐怖をおさえます。
効果が出るまでに数週間と言われていますので、ゆっくり経過観察していきましょう。
抗不安薬
不安や恐怖、緊張をおさえる薬です。即効性のある反面、効果は一時的で
不安を除去する必要がある時のみ使用します。
β遮断薬
β遮断薬は、震え・動悸などの身体症状をおさえる薬です。こちらも効果は一時的であり、不安の除去する必要がある時のみ使用します。
精神療法
精神療法の代表的なものとして、認知行動療法があります。
認知行動療法では、不安や恐怖とつながっている物の考え方や受け取り方を、事実に沿いつつ客観的なものに変えていきます。
また、様々な状況に対応する方法を学び、新たな行動パターンの定着を目指します。
期待できる効果としては、再発率が低いことや、回復率が高いといった効果が望めます。
まとめ
それでは本日の内容を改めて確認していきましょう!!
- 不安障害でも仕事の継続は可能
- ご自身の症状に合わせて対策を打つことで働きやすくなる
- 会社へ障害を打ち明け配慮していただくことも方法の一つ
- 一人で抱え込むのではなく、困ったら迷わずに精神科やクリニック等の相談機関へ