皆さまこんにちは。
梅田事業所の平山です。
少しずつ秋を感じ始めている今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?
個人的には過ごしやすくなってきた反面、朝晩の温度変化による「夏の疲れ」や「起きづらさ」と日々格闘しています。
この記事をご覧いただいている方の中には、
・やる気が出ない
・自分を責める
・考えが進まない
などの悩みを抱えている方も多いと思います。
今回は「やる気が出ない」事について解説します。
- うつ病で仕事を続けられない人
- うつ病の影響で仕事を辞めようと考えている人
- うつ病の人で転職を考えている人
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うつ病とは?
うつ病は、心のエネルギーが減少する病気です。
男性の10人に1人、女性では5人に1人の割合で一生のうち1度は経験すると言われています。心理的なエネルギーが減り、自分の存在価値が小さくなったように感じる病気です。
気分が落ち込み、考えが進まず、意欲もなくなり、体の調子も悪くなります。不眠症状や、ドキドキして体がほてるなどの自律神経症状、肩こりや頭痛といった症状もあり、はじめは内科や整形外科、婦人科を受診する人が多いのも特徴です。
うつ状態は、しっかり休むことで1ヶ月~数か月でよくなりますが、繰り返す場合は反復性うつ病、症状が長引くときは遷延性うつ病と診断されます。経過を通じて軽いうつ症状が2年以上も続き、生活への支障が長引いているときには気分変調症と診断されます。
うつ病の症状とは?
一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった症状が続いている場合、うつ病の可能性があります。
うつ病は原因が思い当たらないことも少なくありません。さらに、原因と思われる問題を解決しても症状が回復せず、日常の生活に支障が生じることがあります。
うつ状態では、物事を否定的に捉えてしまいます。そのため、自己肯定感が下がり、自分がダメな人間だと感じてしまうことがあります。そして、普段なら解決できる問題も辛く感じてしまうという悪循環が起きてしまいます。
イライラ感や、焦る気持ちも出てきます。重症になると「希死念慮」が現れることもありますので、注意が必要になります。
うつ病
「憂うつで気持ちが晴れない」 「気持ちが落ち込んだ状態」のことをいいます。
本人の発言や表情から、周囲も異変に気付くケースがあります。
抑うつ気分は1日の中でも波がみられることが多く、朝方に気分が落ち込み、午後~夕方にかけて症状が軽くなる(日内変動)ことがあります。
躁うつ病(双極性障害)
心のエネルギーが多すぎる躁状態と減り過ぎるうつ状態を繰り返す病気です。
誰でも気分の浮き沈みはありますが、双極性障害では生活に差し支えるほどの症状があって自分ではコントロールできないのが特徴です。
明らかな躁うつを繰り返す場合はⅠ型、躁状態が軽い場合はⅡ型と診断されるなど、症状の強さと経過で分類されます。
うつ病になる原因とは?
「うつ病を引き起こす原因はひとつではない」という研究結果がでております。
辛い出来事が発症の引き金になることが多いのですが、それ以外にも様々なことが重なっていることも珍しくありません。
従って、原因というより要因という方が考え方としてなじみやすく、生活の中で起こる様々な要因が結びついて発症していると考えられます。
環境要因
最もきっかけとなりやすいのが「環境要因」です。
・大切なものを失う(仕事や財産など)
・人間関係や家庭内のトラブル
・職場や家庭での役割の変化(昇格・降格、結婚、妊娠 等)
上記のことから、様々な出来事が要因となりうることが分かります。
性格傾向
「性格傾向」も発症要因の一つです。「脳のエネルギーが欠乏した状態」をうつ病と考えると、
・義務感が強い
・仕事熱心
・完璧主義
・几帳面
・凝り性
・他人への配慮を重視し関係を保とうとする
などの性格の持ち主は、エネルギーの放出も多いことになります。努力の成果が出ている内はエネルギーの回復もみられますが、成果が出ない状況が生じたり、エネルギーの枯渇が起これば発症の危険性が高まります。
うつ病が仕事に及ぼす影響とは?
うつ病の症状として、他者から見てもわかりやすいものの一つが「仕事上のパフォーマンスが以前より明らかに落ちてくる」ことです。仕事ができる人だった場合、今までその人がしなかったようなケアレスミスが発生するようになります。
仕事への意欲や集中力が低下している状態ですので、注意力は散漫になります。
それでは具体的に仕事に及ぼす影響をみていきましょう。
人との交流を避けるようになる
明るく付き合いがよかった人が、
・人との関わりを避ける
・自分から話しかけない
・会議で発言しない
・飲み会を避ける
・暗く物静かな人になった
という印象を与える場合もあります。
また、人が多いなどストレスの多い場所におれず、
・不安で落ち着かない
・注意力・判断力が低下し、うろうろする
・頻繁に離籍する行動
メール・電話での受け答えができなくなる
人と会う、会話するのが嫌になり、注意・集中力の低下から電話でもうまく会話ができなくなる傾向があります。
・自ら電話しない
・会社や知人が電話をしても出ない
・折り返しの電話もない
・メールやSNSに嫌気を感じる
・頻繁な電話やメッセージにストレスを感じる
身だしなみが雑になる
「億劫」な気持ちが原因で、考える力や判断力が低下す傾向があります。
その結果、身だしなみに無頓着になり、入浴や歯磨きをせずに出社してしまうことで自責の念に駆られる場合もあります。
ケアレスミスが増える
仕事への熱意や集中力が低下して注意力は当然散漫になって仕事上のパフォーマンスが明らかに落ちてきます。その結果、
・書類上の誤字脱字や計算ミス
・期日の間違いや忘れ
・仕事のプロセスを忘れる、または抜かす
など、今までその人がしなかったようなケアレスミスが発生するようになります。
遅刻や欠席が多くなる
身体・精神的な症状が出ることで、職場に行くことにネガティブになり、遅刻や早退、欠勤が増えていきます。事前に報告や申請、無断遅刻をする、早退、欠勤が多くみられる場合は注意が必要です。
うつ病で仕事が辛くなった時はどうすれば?
症状が出てきたらまずは病院へ行くのが鉄則です。
仕事が気になって病院に行かないという判断は、うつ病の症状の重症化を招き、結果的に仕事を長期で休職、退職ということになりかねません。
まず、医師や職場の上司にしっかりと相談するのがおススメです。
うつ症状を感じたら無理せず休職する
もし症状が悪化した場合は、無理をせず休職の申請を行いましょう。
職場によっては自分の代わりがいないことがあり、職場や同僚に迷惑をかけるのが不安かもしれません。
しかし、早く完治させることが社会復帰する上で一番大切です。
休職中に治療に専念することで、また職場に復帰できる可能性もあります。
実際に適切な治療をうけたことで、症状が早く安定して復職した方が沢山いらっしゃいます。
復職支援を受ける
復職支援とは別名「リワーク支援」とも呼ばれます。従業員が傷病などの休職からスムーズに職場復帰するための事業所、病院や公的機関による支援体制やそのプログラムのことをいいます。
職場で実施している場合や、
・障害者職業センター
・精神保健福祉センター
・精神科
などでも支援ができる場合があります。
具体的には、 生活リズムの見直し、コミュニケーションスキルの習得、職場のストレスへの対処方法の習得などを目的とするプログラムの支援を受けられます。簡単に表現すると、「職場復帰へのリハビリプログラム」といえます。
うつ病の人に向いている仕事とは?
うつ病という病気は複雑なものであり、「向いている職種」「向いていない職種」は決められません。 また、職種という視点で考えると、各業界、各会社で組織風土は全く異なります。
一つの職種で絞って、「仕事の向き・不向き」を決めつけるのは得策とはいえないでしょう。
そこで、うつ病になる原因や症状を鑑み、「業種」という少し大きな括りで向いている仕事・向いていない仕事を分けてみましょう。
うつ病に向いている職種
うつ病の方に向いていると考えられる職種は以下になります。
・美術、デザイナーなどのクリエィティブ職
・事務職
・運送関連
・一部清掃業
・清掃業
うつ病に向いていない職種
うつ病の方に向いていないと考えられる職種は以下になります。
・営業職
・接客業
・管理職
・教員職
・その他サービス業
前述したように、
・業務との相性
・ハードワークか否か
・プレッシャーの大きい環境でないか
従って、ご自身だけで判断するより、家族や友人、支援機関などの周りの人たちの客観的な意見を参考にしながら検討するのが良いでしょう。
リモートワークができる仕事
リモートワークでは、自分のペースでスケジュールを立てて進めることができます。
また、他者との関りを最小限にできるなどのメリットが考えられます。
職業としては、
・webデザイナー
・プログラマー
・エンジニア
・webライター
しかし、
・顧客ニーズに合わせた完成度
・受注時期や業務量の調整
CONNECTからフリーランスへ!! N.Aさんの就職エピソード
ここでは、うつ病を患いながらCONNECTでの訓練を通してリモートワークでの就職を実現したN.Aさんをご紹介いたします。
訓練当初は、毎日通所して生活リズムを掴むところから始まりました。
グループディスカッションのプログラムでは、「レジェンド」の称号を獲得するレベルまで到達して自信をつけていき、自己肯定感を高めていかれました。
問題解決には、自分の考え方やあり方と向き合うことにも気付かれ、ポジティブ思考に変わっていかれました。
現在は、フリーランスWEBデザイナーとして働いておられ、独立して自由に働くという夢を抱いておられます。今後の目標である「福祉×ITの力でやさしい社会を実現」に向けて充実した日々を送っておられます。
【関連記事】WEBデザイナーとして働くN.Aさんの就職ストーリーはこちら▶
一般事務職・総務職
業務内容的に向いている傾向にあると言えます。マニュアルに従って進められるため、ミスは発生しにくいです。注意する点としては、職場によって複雑な人間関係や、業務内容によっては他の人と連携して進める場合もがあることです。
「事務職に就いた方がうつ病になりやすい」と思われがちですが、単純に事務職に就いている人数が多いことが原因の1つと思われます。また、実際の求人では、電話応対や来客対応などを配慮として業務に含まない場合があるため、働きやすい環境が整備されつつあります。
CONNECTから事務職へ!! T.Hさんの就職エピソード
ここでは、事務職に就職されたT.Hさんをご紹介します。
病気を伏せて働いた事で、症状が仕事に影響を及ぼして、体調が安定せずに退職を繰り返して自信をなくしていました。
CONNECTでは、まず安定通所を目標としました。自分で計画を立てて達成したことで、少しずつ自信を取り戻されたり、スタッフとの関りの中で人との関わりに喜びを見出されていきました。
現在は、以前と同じ事務職の仕事に就かれてます。病気のきっかけになった業種でしたが、訓練を経て事務職が好きだと改めて気付かれ、働き続けるモチベーションの1つになっているそうです。「続けられる限り、今の仕事を続ける」と目標を立てて毎日楽しく会社に出勤されています。
【関連記事】計画をこなすことで自身アップ! T.Hさんの就職ストーリーはこちら▶
短期の派遣・アルバイト
1日3~4時間程度から働くことができるため、ご自身の体調に合わせて慣らしていくのに向いているといえます。
メリットとしては、
・プレッシャーが少ない
・マニュアルに沿った進行が可能
いくつかの仕事を経験する中で、自分に向いてる仕事(業種・働き方)が見つかる可能性がありますので、ご自身の適職を探す手段として考えても良いでしょう。
まとめ
それでは、今回の内容を改めて確認していきましょう!
- うつ病は誰でも発症する可能性がある
- 自分を責めずに周りに相談することが大切
- 治療に専念して体調を整えることが一番の近道
- 復職の際にはリワーク支援などを利用する
- 自分に合った職種や働き方が見つかれば働くことは可能