こんにちは!就労移行支援事業所CONNECT新大阪の竹原です。
強迫性障害が原因で働きづらさを感じている方はいませんか?
そこで今回の記事では
●強迫性障害で仕事を続けるには
●症状のコントロールをするには
について解説していきます。
- 強迫性障害について知りたい人
- 強迫性障害の影響で仕事に支障が出ている人
- 強迫性障害の症状の対策が知りたい
オススメ動画はコチラ▼
強迫性障害とは?
強迫性障害とはいったいどんなものなのでしょうか?
まずは強迫性障害がどのような障害か解説します。
強迫性障害とは不安障害の一つで、自分でもここまでしなくてもいいと理解しているにも関わらず、不安を払しょくする行為を止められない病気です。
具体的な例については次の強迫観念、強迫行為のところで記載したいと思います。
また、強迫性障害は現在では治すことのできる病気として知られています。
強迫性障害の発症の原因としては遺伝や環境が関係していると考えられています。
完璧主義の人やこだわりの強い人は発症しやすい傾向にあります。
また、ストレスが過剰にかかると発症してしまう場合があります。
●妊娠や出産によるストレス
●引っ越し等の環境変化によるストレス
強迫観念
強迫観念は、きわめて強い不安・恐怖をさし、頭から離れない考えのことで、それは不快な感情や精神的な苦痛を伴います。
●家の戸締りをしたか気になる
●いつもと違うことをするとよくないことが起こる気がする
強迫行為
強迫観念を打ち消したいという不安的衝動から起こる行動です。
やりすぎ・無意味と理解していても、辞めることができません。
●家の戸締りをしたのか不安→何度も同じ場所を確認したり、一度外出しても戻ってきて確認したりしてしまう
●いつもと違うことをするとよくないことが起こる気がする→どんな時でも同じやり方でないと仕事や家事ができない
強迫性障害が仕事に与える影響とは?
ここでは強迫性障害の人が仕事で困りやすいことを紹介します。
何度も同じ行動をとる
不安から何度も同じ行動をとることが多いです。
このことが原因で働きにくさを感じる方もいるのではないでしょうか?
確認行動を繰り返す
ではどのような行動をとってしまうのか、いくつか例を挙げて説明します。
●仕事でミスがないのにもかかわらず、「大丈夫かな?」と不安になり、確認作業で1時間くらいかけてしまう
●データ入力などの仕事で、打ち込みミスが無いか10回以上確認してしまう
●清掃の仕事で綺麗に掃除したはずなのに、汚れているような気がして同じところを何度も掃除してしまう
●資料や書類作りに間違いがないが何度も確認するので時間がかかり過ぎてしまう
汚染不安
汚染に対する不安や恐怖から、何度も汚染対策をすることで仕事に影響を及ぼすこともあります。
自分の手が汚れているように感じる、自分が菌を広めてしまうのではないかといった不安がよくあります。
また、床に落ちたものがすべて汚く見えるということもあります。
手洗いの回数が多く洗っている時間も長いので、仕事が溜まってしまう
服薬により集中力が下がってしまう
強迫性障害の治療のひとつに服薬があります。
治療のために服薬することは大切ですが、集中力が低下することがあります。
その際に仕事に影響が出ることがあります。
●車を使う仕事柄、服薬しながらの運転は懸念される為、自分に合う薬を見つけるのが大変だった
病気を理解されづらい
障がいが見た目ではわかりづらいため周囲から気付かれにくいため、理解されづらいこともあります。
また、心の病気というだけで偏見を持たれたり、誤解されたりすることもあります。
●誤解されることを恐れて、障害を打ち明けずに就労する
症状のコントロールが難しい
治療と仕事の両立から新しい不安やストレスを感じ、疲れや体調不良に悩むことが多くなってしまいがちです。
●仕事のプレッシャーから症状が悪化してしまい、仕事に手が付けられなくなる
強迫性障害で仕事を続けることは可能?
強迫性障害でも仕事を続けられている方もいます。
ではどうすれば仕事を続けやすくなるのでしょうか?
しっかりと治療する
自分の症状や体質に合った治療を行うことで症状をコントロールできます。
強迫性障害は薬での治療だけでなく、暴露反応妨害法といった行動療法での治療も存在します。
暴露反応妨害法とは、不安なことをあえて積極的に行っていくことで不安を和らげる方法です。
嫌いな食べ物を嫌々食べているうちに、いつの間にか問題なく食べられるようになっていたという経験はありませんか?
これと同じように、不安に思うことを行うことで徐々に不安の強さが下がっていきます。
この方法はできるだけ毎日行うことで、習慣になり効果が高くなります。
病気について理解する
治療経過が長く、コントロールできるようになるまで時間がかかりますが、その間も症状は現れます。
自分なりに工夫したり、ルールを設けたりしながら仕事を無理なく続けることも大事です。
上記で紹介した暴露反応妨害法をうまく利用することで、症状のコントロールの理解を深めることができます。
周囲の理解を得る
仕事を継続するには周囲の協力が必要不可欠です。
辛さは本人にしかわかりませんが、理解しようとしてくれている同僚がいるだけで気持ちが穏やかになります。
仕事での対策
ここでは仕事の際に強迫性障害の症状をコントロールするための対策について記載していきます。
長く仕事を続けるには、対策法を考えておくことが必要です。
対策の例として以下のようなものがあります。
●ミスがないのに、気になってしまい何度も見返してしまう場合には、スマホなどで間違いがないことを写真に撮る。徐々にその写真を見返す回数を減らす我慢をすることで、症状をコントロールすることができます。
注意点として、新たな習慣が強迫観念・強迫行為を引き起こしていないか第三者に客観的な診断をしてもらう必要があります。
強迫性障害により、仕事を続けられない場合は?
強迫性障害により、どうしても仕事が続けられないこともあるかと思います。
そこで仕事を求職や辞める際に、知っておいていただきたいことを解説していきます。
休職の仕方・注意点など
休職をするには医師による診断書が必要です。
病気が原因で正常に働くことができないことを証明しなければならないのです。
また、会社によって休職期間が異なるため注意が必要です。
休職中のお金の対策
病気の療養のために休職している場合は、傷病手当を受け取れることが多いです。
休職中に会社から給与が出ないなどの条件があるので、一度確認してみてください。
リワーク支援について説明
リワークとは、主に精神疾患によって休職された方が職場復帰に向けて行うプログラムのことです。
私自身も就労移行支援事業所CONNECTというリワーク支援を行っている施設で勤務しております。
就労移行支援では報連相などのビジネススキルやディスカッションなどを通してのコミュニケーションスキルの向上を図っています。
気になった方はぜひ1度チェックしてみてください。
再度就職を目指す場合、どのような職業が向いているのか?
ここでは強迫性障害の特性上向いていると考えられる仕事を説明していきます。
責任感が大きい仕事だとミスをしないように確認作業が多くなってしまうため、責任が大きすぎない仕事が向いている傾向にあるのではないでしょうか。
また、一人でできる仕事や自分のペースで行うことができる仕事が働きやすいと思われます。
- データ入力などの事務作業
- プログラマー
- ライター
- WEBデザイナー
- 工場での作業
就労移行支援事業所CONNECTでも、過去に強迫性障害の方が就職されています。
強迫性障害が原因で仕事について悩んでいた方が、実際にこのように就職して仕事を続けているのでぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
この方はコールセンターの仕事に就かれました。
こちらに記載しております。
まとめ
強迫性障害はしっかりと治療を行うことで症状をコントロールできるようになります。
服薬や暴露反応妨害法などの行動療法をうまく用いて治療していきましょう。
仕事では不安なことがあればなぜ不安に思うのか書き出したり、確認作業を徐々に減らしたりすることで対策を行うことも大切です。
周囲の人が理解をしようとしてくれるだけで、気持ちが楽になることもあるので誰かに相談をすることも大切です。
- しっかり治療することで症状をコントロールする
- 仕事での対策法を考えておく
- 一人で抱え込んでしまわないように相談をする