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発達障害のグレーゾーンとは?仕事上での注意点も合わせて解説!

2022.10.28

病気・障害の特性

皆さんこんにちは。就労移行支援事業所CONNECTの村上です。

今回は発達障害のグレーゾーンと呼ばれる、発達障害の診断を受けていないが生きづらさや社会生活上の困難さを抱えている状態について解説を行っていきます。

 

この記事はこんな人におすすめ

この記事は次のような人にオススメ
  • 発達障害のグレーゾーンについて知りたい人
  • 発達障害の診断は出ていないが、発達障害のような特性がみられる人
  • グレーゾーンの人で、発達障害の診断を取りたいと考えている人
  • グレーゾーンの人でも受けられるサービスについて知りたい人

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発達障害とは?

発達障害とは、生まれつきの脳の機能の障害であり、特性によりコミュニケーションや特定の環境でミスマッチが生じ、社会生活に困難さが発生します。

発達障害は、

  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)
  • 自閉症スペクトラム(ASD)
  • 限局性学習障害(SLD)

の3種類に分けられます。

発達障害のタイプによって症状の現れ方や程度も人それぞれ異なり、外見で判断がつきにくい障害です。

また、生まれつきの脳の機能の障害ではありますが、人間関係や仕事がうまくいかないことで受診し、大人になって初めて発達障害と診断されることもあります。

このようなケースを「大人の発達障害」と言います。

発達障害のグレーゾーンとは?

発達障害のグレーゾーンとは、発達障害の診断を受けていないものの、発達障害のような症状があるという状態です。

正式な障害名ではなく、発達障害の傾向にある人全てを指す言葉であり、症状の程度は幅広いことが特徴です。

診断が付いていないからといって必ずしも症状が軽いということはなく、グレーゾーンであっても生活上の困難さや生きづらさを抱えている人がいるのが実情です。

なぜ発達障害の診断が付かないのか

発達障害の診断が付かない理由としては、複数ある診断基準のうち、基準を満たしていない項目が一つでもあることが挙げられます。

発達障害の診断はDSM-5と呼ばれる、診断マニュアルを用いて医師が行います。

診断の基準を満たしているかどうかは医師の主観によります。

また、診断基準の中には、幼少期の情報を必要とするものもあります。

そのため、発達障害を疑い受診しても、医師が情報を十分に得られない場合は診断を付けられないケースもあります。

 

グレーゾーンの人が仕事上で困ること

それでは、グレーゾーンの人は働く上でどのような困りごとを抱えているのでしょうか?

 

周囲に自身の困りごとを理解されにくい

正式な診断を受けていないことから、仕事でミスをしたり、求められる成果を出したりすることができなかった際に、周囲からの評価が下がり、職場での居心地が悪くなることがあります。

聴覚からの情報処理に苦手さを抱えているが、発達障害の診断を受けていない人

指示の聞き逃しや聞き間違いが起こった際、上司や同僚は、発達障害の特性によるものではなく、「話を聞いていない」「やる気がない」といった評価をする。

つまり、正式な診断が付いていないことから、周囲に十分に理解されにくく、働きづらさに繋がる場合があります。

 

障害を開示し、配慮を受けながら働くことが難しい

グレーゾーンの人が働くには一般雇用での働き方が主になります。

障害を開示し、必要な配慮を受けながら働くことのできる障害者雇用は、障害者手帳を持っている人が対象となります。

グレーゾーンは正式な診断が付いていないため、障害者手帳を取得することができません。

一般雇用では、障害者雇用のような配慮を受けることが難しい場合が多いため、仕事上で特性故の困難さに直面した場合には、

  • ・自分自身で対処する
  • ・その都度、周りに協力を仰ぐ

などの対応が必要になります。

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グレーゾーンの人で発達障害の診断をとるためには?

それでは、グレーゾーンの人が発達障害の診断を受けるにはどのような方法があるのでしょうか?

いくつか紹介していきたいと思います。

 

家族など、幼少期の頃を知っている人に同席してもらう

発達障害の診断基準には幼少期のエピソードが必要となる項目があります。

自分自身では覚えていないことや自覚のないこともあり、医師に説明できないことがあります。

家族など、幼少期の様子について知っている人に同席してもらうことで、診断に必要な情報を医師に伝えることができます。

 

仕事や生活に支障が出ているのであればそれをしっかりと医師へ伝える

グレーゾーンであっても、仕事や生活に明らかに支障が出ているのであれば、その旨を医師に伝える必要があります。

支障がないと医師が判断した場合は発達障害の診断を受けられないことがあります。

受診前に具体的にどういった場面で困りごとを抱えているかをメモに書き出しておくと、スムーズに医師とのやり取りができます。

 

病院を変える

発達障害の診断はDSM-5を用いて医師が行います。

そして診断の基準を満たしているかどうかは医師の主観によります。

医師によって捉え方や考え方は異なるため、ある病院では発達障害の診断を受けることができなかったが、他の病院では診断を受けることができるケースもあります。

 

グレーゾーンの人は障害者手帳を取得できる?

それでは、グレーゾーンの人は障害者手帳を取得することができるのでしょうか?

結論から言いますと、診断がない状態では取得することができません。

障害者手帳を取得することで税金の控除が受けられたり、公共料金や運賃の割引を受けることができます。

また、前述のとおり、障害を開示し、必要な配慮を受けることができる障害者雇用で働く為には障害者手帳が必要です。

一般雇用では、基本的に配慮を受けることはできませんが、配慮なしで働くことが難しい場合は、「医師から発達障害のグレーゾーンだと伝えられた。」という旨を伝え、配慮を受けられるか交渉してみることも一つの方法です。

ただし、障害者雇用と比べると多くの場合、会社側に発達障害に対する知識が無いため、障害への理解や十分な配慮を受けられません。

 

グレーゾーンの人が受けられるサービス

それでは、グレーゾーンの人が受けられるサービスにはどういったものがあるでしょうか?

発達障害の診断は受けられなかったものの、困りごとを抱えている際に利用することができるサービスについて解説します。

 

発達障害者支援センター

発達障害の方やそのご家族の生活を支援している施設です。発達障害の診断を受けている方に加え、発達障害の可能性のある方も相談をおこなうことができます。

センターごとに提供しているサービスの内容は異なり、直接支援を行うところもあれば、情報の提供を主に行うところもあります。

 

障害者職業センター

障害のある方に対して、企業やハローワークなどの施設と連携しながら専門的な職業リハビリテーションを行う施設です。

利用に際して障害者手帳の所持は必須ではなく、グレーゾーンであっても利用できる場合があります。

全国に設置されているため、相談したい場合はお住いの都道府県のセンターに問い合わせてみましょう。

 

障害者就業・生活支援センター

障害のある方に対して、医療や福祉の関係機関と連携しながら、職業生活での自立に向けて支援を行う施設です。

前述の障害者職業センターと名称が似ており、どちらも就業面への支援を行っています。

障害者就業・生活支援センターでは、就業面に加えて生活面の支援を行っています。

また地域に密着した支援を行っており、全国に338ヶ所設置されています。
(参考:令和4年度障害者就業・生活支援センター 一覧)

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就労移行支援

障害者総合支援法に定められた障害福祉サービスの一つであり、障害のある方が一般企業に就職するための支援を行っています。

働くために必要な知識やスキルを習得するための訓練の提供や、履歴書の添削や面接の同行といった就職活動のサポートも行っています。

就労移行支援を利用するためには、市区町村から発行される障害福祉サービス受給者証が必要です。

障害福祉サービス受給者証は、障害者手帳や診断書がなくても医師の意見書で取得できる場合があります。

グレーゾーンで就労移行支援の利用を検討する際には、医師に相談の上、就労移行支援事業所へ相談してみましょう。

 

就労移行支援についてもっと詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

【就労移行支援ガイド】就労移行支援ってどういうもの?▶

 

まとめ

まとめ
  • 発達障害の診断は受けていないが発達障害の症状がある状態をグレーゾーンという。
  • 発達障害のグレーゾーンは障害者手帳を取得できない。
  • 発達障害の診断を受けてなくても利用できるサービスはある。

 

 

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