こんにちは!
就労移行支援事業所CONNECT梅田の新谷です。
ASDの方で、
・話し方が特徴的と言われたことがある
・自分が話すと空気が悪くなる
・幼少期から話し方のせいで人間関係がうまく築けない
など、悩んでいる方はいらっしゃいませんか…?
そこで今回は話し方の特徴や対策について解説していきたいと思います!
- 人との話し方がわからない
- 原因がわからず幼少期から悩んできた
- 話し方を少しでも改善させたい
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ASDとは?
2013年以降、「自閉スペクトラム症(ASD)」とまとめて表現するようになった病名のことを指します。それまでは「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」「自閉症」など、各名称で呼ばれていました。また、症状の現れ方や程度も人それぞれ異なり、外見で判断がつきにくい障害です。原因については、遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつき(先天性)の脳機能障害だと考えられており、親の育て方や愛情不足が直接的な原因ではないといわれています。
ASDの主な特性として、
・暗黙の了解がわからず、融通がきかない
・いつもと同じ環境でないとそわそわしてしまう
・興味・関心の範囲が狭い
・感覚過敏、または鈍感 (音、光、臭い、触覚や痛み等の感覚が敏感または鈍感)
などが挙げられます。
社会性の問題
相手の気持ちを意図すること、その場の空気や、しきたりなどの暗黙の了解・社会のルールを理解するのが苦手です。また、自分の感情を表現することや、自分の発言や行動が与えてしまう印象を想像することが苦手な人も多く、その場の雰囲気にそぐわない素直すぎる、直球の発言をしてしまうこともあります。
コミュニケーションの問題
言われた言葉をそのまま受け取り、冗談や例え話などがわかりにくいという特徴があります。また相手の都合を確認せずに話しかけたり、相手と目を合わせて会話をすることが苦手です。
また、口調や声量の調節が苦手であったり、無表情、抑揚をつけないで話したり、書き言葉や少し古風な言葉を使うことがあります。このため、他者との意思疎通が困難な場合があります。
想像力の問題
「相手の気持ちを想像する」「暗黙のルールを理解する」など、自分の感情を場の空気に合わせて表現することや、空気を読み、雰囲気で感じ取ることが苦手です。このため、状況にあわせたふるまいができなかったり、予定外の事態に対して柔軟に対応することに困難が生じたりします。また、気持ちの切り換えや発想の転換も苦手です
ASDの方の話し方の特徴とは?
こだわり、人の立場に立って物事を考るのが苦手という特性から、変わった話し方をする特徴があります。
以下から特徴ごとに分けてまとめています。
相手の立場に立つことが難しい
そもそもなぜ相手の立場に立つということが難しいのでしょうか?それは、中枢神経系が上手く働かず、雰囲気や顔色などの情報を自然に感じ取ることがなかなか難しいため、人の表情や言葉よりも見た目や出来事などに関心が向いてしまい、相手が置かれている立場を理解すること、相手に共感することが苦手とされているからです。
例えば、
・ストレートすぎる表現を使う
・思ったことをすぐに口にする
・言葉をそのまま受け取る
・ルールに強いこだわりを持つ
具体例でいうと、
・長年大切にしていた物が壊れてしまった人に対して「物はいつか壊れるよ」と言う
・髪を切った人に対して、「髪の毛切らないほうが良かったですね、今の髪型はいまいちです」と言う
・お風呂のお湯を溜めているときに「お風呂を見てきて」と伝えると、そのまま見るだけになってしまう
・挨拶ごとに、その挨拶をする時間が決められている
など自分が感じたことをストレートに言ってしまいます。こういった発言が相手はどう思うのか、自分がどう思われてしまうのか、というのを理解しながら話すことが苦手です。
話し方の特徴
ASDの方は以下のような話し方の特徴があります。
・セリフを棒読みするような話し方をする
・年齢に見合わない言葉遣い
・漫画やドラマに登場するキャラクターのような話し方や語彙を使う
・自分の興味のある分野についての話が止まらない
・表情やジェスチャーが乏しい
これらは他者とのコミュニケーションの経験が幼少期から乏しかった為、自分の気持ちや想いの表現の仕方を漫画やアニメなどから吸収し学んだ結果、上記のような特徴になってしまっていることが多いです。
細部までこだわる
ASDの方は、強いこだわりを持つという特性があります。
例えば、物事を進めていく手順や配置など自分なりのルールにこだわりを持ち、周りとのルールにズレが生じる場合があります。
また、決められた手順や自分の興味ある事柄などに強くこだわり、イレギュラーなことに対して臨機応変な対応が苦手な傾向があり
その為、話し方にもこだわりを持ち、以下のような話し方をしてしまう場面があります。
・必要以上に細かく、わかりにくい話し方をする
・逐一話す
しかしこだわりの強さが、他人の想像の範囲を超えるユニークさを持つこともあります。また、自分が興味を持つ事柄への情熱や知識が突出してあらわれることもあります。
話し方の改善方法は?
ここまで話し方の特性や具体例を挙げてきました。
ここからは改善方法について記載していこうと思います。
句読点で1拍置いて話してみる
話をする際、無理に抑揚をつけようとすると不自然になったり、ストレスがかかってしまいます。そこで無機質に聞こえにくいコツとして、「文章の句読点(=「、」「。」)で1拍置いて話してみる」のをオススメします。
具体例でいうと、
【区切らない場合】
『おはようございます朝ごはんは何を食べましたか私はパンを食べました』
【区切る場合】※文章の表現ではなく、会話のイメージとして句読点を付けています。
『おはようございます。朝ごはんは、何を食べましたか。私は、パンです。』
文章にすると難しいのですが、イメージ出来そうでしょうか。
句読点を付けないと、相手には不自然な「カタカナ」に聞こえるように感じさせてしまうことがあります。あくまでも一例ではありますが、「間」を意識して話すだけでも、不自然さを感じにくくできます。
語気を弱めてみる
「感情がこもっていない」「棒読みになっている」「無機質」等、上辺だけのような言葉遣いを感じる場合は、語気を弱めてみることで話し相手に柔らかい雰囲気を与えることができるケースもあります。
語気が強いと相手が圧力を感じやすくなり、またそれによって「ロボットのようだ」と感じやすくなってしまいます。
具体例にはならないと思いますが、ガラスを持っているような感覚で優しく話すように意識してみてください。
相手の希望・話の回答を考えながら聞いてみる
話し相手が仮に自身のルールと違うことをしていても、それが間違いとは限りません。
あくまでも基準であり、そこから応用させていく方もいらっしゃいます。
この方法は難しいかもしれませんが、話を聞くときは「相手がこの話の中で何を望んでいるのか」「今の話にはどのような答えを返せばいいのか」と考えながら聞いてみてください。それだけでも会話の内容が変わってきます。
上記の方法が難しく感じられる方は、「相手の気持ちを理解することは難しいが、こんな表情をしたときにはこのように対応する」という繰り返し学習を行うことでスキルを身に着けてみてください。
メールなど、対面しない会話を活用する
方法としては少し外れるかもしれませんが、対面での会話に緊張してしまう場合は、最低限の報連相なども文書やメールで伝えるように工夫すれば、話し相手にこちらの雰囲気を読まれることも比較的少なくなります。
このように文書等のコミュニケーションで慣れたうえで、対面の会話に移ることでうまく表現できるようになるケースもあります。
まとめ
・コミュニケーションが苦手なのは特性であり、原因がはっきりしている
・こだわりも個性の1つである
・いきなり対面で話すことに慣れないといけないわけではなく、他の方法から始めてみる
・工夫次第で抑揚をつけなくても、ロボットのように聞こえない方法もある
・相手の気持ちを全て理解しなくても、繰り返し学習で最低限の対応はできる
・褒め言葉はお世辞ではなく本心な為、相手は素直に嬉しい気持ちになる