皆さんこんにちは。CONNECTなんばの村上です。
4月になり、このコラムをご覧になられている方の中には、新たな環境での生活がスタートしという方がおられることかと思います。
楽しみな反面、緊張感やストレスも感じやすい時期ですので、気分転換もうまく取り入れていきましょう!
そんな年度替わりの今日この頃ですが、皆様の中で、このようなことにお悩みの方はいらっしゃいますでしょうか?
・不安に突然襲われることがある
・不安を抱えているが、解消法が分からない。
・パニック障害の診断を受けているが、服薬以外の対処法が分からない
そこで今回はパニック障害の不安の解消法について解説していきます。
この記事はこんな人におすすめ
- 最近突然不安が襲ってくることがある人
- 気軽に不安を解消できる手法を知りたい人
- パニック障害の方で、服薬以外での不安の対処法を知りたい人
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パニック障害とは?
パニック障害とは、身体に異常がないにも関わらず、動悸や息苦しさ、冷や汗、手足のふるえといった発作が、突然起こる精神疾患です。パニック障害の発作はかなり強く、死ぬのではないかと不安になる人も少なくありませんが、30分~1時間程度でおさまることが多いです。
しかし、繰り返し発作が起こり、進行するにつれ、頻度が増える傾向があります。また、発作の苦しみや恐怖は非常に強いものであることから、不安で頭がいっぱいになりながら日々を送るパニック障害の方も少なくありません。
パニック障害は20~30代で発症しやすいと言われており、男性よりも女性の方が多いとされています。しかし、男性の中には症状を恥ずかしがって受診しない人も多く、実際には男性の患者さんもかなり多いと推定されています。また、30人に1人の割合で経験するとされており、決して珍しい病気ではないといえます。
不安の解消法とは?
それでは、パニック障害の不安を解消する方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
実践しやすいものをいくつか紹介します。
飴やタブレットを舐める
飴やタブレットを舐めることが不安の軽減に繋がることがあります。パニック発作が起きると動悸や息苦しさが強くなります。思わず手を当ててしまいますが、これはかえって発作への意識を強めてしまうため、余計に不安が止まらなくなってしまいます。
飴やタブレットを舐めることで、意識を不安から口の中に入っている飴の味や形に向けることができます。また、舐めることで口を閉じた状態になるので、過呼吸を抑えられるといった効果が期待できることもあります。
アロマオイルを嗅ぐ
アロマオイルを嗅ぐことも、不安の解消に有効な場合があります。人間の脳には大脳辺縁系と呼ばれる場所があり、感情を司ったり、自律神経の調節に関わったりしています。アロマオイルの香りが大脳辺縁系に伝わることで、不安の軽減や、リラックス効果が期待されます。
自分自身が落ち着くと感じる香りを選択することが大切ですが、柑橘系の香りは特に不安に有効であると言われています。アロマオイルの使用法ですが、電球の熱によって香りを拡散させるアロマライトを使用する方法や、アロマオイルの香りを蒸気によって拡散させるディフューザーを使用する方法があります。
また、特別な器具を必要としない方法もあり、お湯を張った浴槽にアロマオイルを垂らすこともリラックス効果が期待できます。コットンにアロマオイルを垂らしたものをペンダントにして持ち歩けば、場所を問わず香りを嗅ぐことができます。
バタフライハグを行う
特別な道具を必要としない不安の解消法もいくつかあります。中でもバタフライハグと呼ばれる方法は手軽に取り入れることが可能です。バタフライハグは以下の手順で行われます。
①両腕を胸の前でクロスさせる
②左手で右肩を、右手で左肩を交互に叩く
③2分程度繰り返す。
簡単な手順で行うことができるため、様々なタイミングや場所で行うことができます。また、前述したアロマオイルを嗅ぐことと同時に行うことで、さらなる効果が期待できます。
不安を感じた際に実践できるよう、実際に一度やってみると良いでしょう。
54321法を行う
聞き慣れない名前かもしれませんが、これも特別な道具を必要としない方法です。
以下の5つの項目を順番に行います。
①「目に見えるもの」を5つ確認する
②「感じるもの」を4つ確認する
③「聞こえるもの」を3つ確認する
④「におい」を2つ確認する
⑤「自分の好きなこと、褒められたこと」を1つ確認する
実際に54321法を行ってみると実感できますが、意識が「目に見えるもの」や「感じるもの」など、五感に向くようになるかと思います。
前述のバタフライハグと同様に、不安が起こった際にいきなり実践することは難しいので、このコラムを読みながら一度実践してみることをオススメします。
日常生活で心がけることは?
前項では、不安が起こった際の解消法について解説しました。
ここからは、不安を起こりにくくするために、日常生活で意識することについて解説します。
回復を焦らない
パニック障害は症状の度合いによっては治療に数カ月~1年以上要することもあります。発作の起こらない期間がしばらく続いても、自己判断で治療をストップしてしまうと再発の可能性があります。
目に見える変化がなくても、通院されている場合は、主治医の指示通りに服薬や治療を継続していくことを心掛けることが重要です。
カフェイン・アルコールを避ける
カフェインを摂取すると動悸や不安感が強まることがあります。嗜好品としてコーヒーを日常的に飲まれている方も多くいますが、症状が出ている時は摂取を避けることが望ましいです。カフェインはコーヒー以外にも、緑茶やチョコレート、コーラにも含まれています。身近にあり、全くカフェインを摂取しないことは難しいかもしれませんが、症状が続く際には、普段の食生活を振り返ってみることが有効なこともあります。
また、アルコールに関しても注意が必要です。お酒を飲むと一時的にリラックスでき、不安を和らげることができることがありますが、アルコールが体内から排出されると不安感が強くなってしまいます。その上、繰り返し摂取することでアルコール依存に繋がることがあります。服薬している薬の効果に大きく影響することもあるため、可能な限りアルコールを摂取することは避ける必要があります。
規則正しい生活を送る
就寝や起床時間が日によって大きくって異なると、自律神経が乱れやすくなり常に緊張した状態になるので、パニック発作が起きやすくなります。意識的に睡眠時間を確保することや、一定のリズムで生活を送ることで自律神経が整い、症状の改善に繋がります。
ストレスを溜めない
ストレスはパニック障害の直接的な原因ではありません。しかし、ストレスが溜まっていると発作が起きやすくなることがあります。ストレスの原因となる刺激をストレッサーと呼び、以下に分類されます。
・物理的ストレッサー(騒音や暑さ、寒さ、振動など)
・化学的ストレッサー(臭い、薬品、酸素欠乏など)
・心理・社会的ストレッサー(対人関係、仕事や家庭の問題など)
ストレスを全く感じずに生活をすることは難しいので、ストレスを感じてもうまく処理する方法を身に付けておく必要があります。また、自分自身がどういったことにストレスを感じやすいのかを把握しておくことも、ストレスとうまく付き合っていくために重要です。
まとめ
それでは、本日のまとめです
・パニック障害で不安が生じた場合、意識を不安から逸らすことが有効である
・道具を必要としない不安の解消法もあるが、前もって実践しておくことで、いざという時に行いやすい
・パニック障害の治療は時間を要することもあるため、日々の生活での意識の積み重ねが重要である