皆さんこんにちわ!
今回はASD(自閉スペクトラム症)の記憶力について解説していきたいと思います。
ASDの人は、特有の記憶力を持っていると言われています。
中でも、
- ASDの人がなぜ高い記憶力を持っているのか?
- ASDの記憶力の特性が仕事や日常生活にどのような影響をもたらすのか?
- 記憶力の特性に対する効果的な対処法は何か?
と疑問に思われている人もいるのではないでしょうか?
この記事では、その記憶力の特性や背景、メリット・デメリット、そして日常生活での対処法について詳しく解説していきます!
- ASDについて知りたい人
- ASDの特性を理解し、サポートしたいと考えている人
- ASDの記憶力について知りたい人
オススメ動画はコチラ▼
ASDとは?
ASDは発達障害の1つで、脳の認知機能の偏りによって起こる障害です。
先天性の障害ですので、大人になってから気付くことはありますが、大人になってから発症することはありません。
発達障害という言葉自体が広く認知されていなかったので、「少し変わった子」というような印象でしか理解されていませんでした。大人になり初めて気づくケースや、世間で広く認知されたりするにつれて、初めて気づくというケースが少なくありません。
ASDには大きく「社会性の問題」「コミュニケーションの問題」「想像力の問題」の3つの特徴が見られます。
その3つの特徴について解説します。
社会性の問題
周囲の人や環境に対し適切にふるまうことが難しく、相手の都合や気持ちを理解できないことがトラブルにつながりやすいです。
「空気が読めない」「常識がない」と周りから思われてしまいがちです。
コミュニケーションの問題
必ずしも言語の発達に遅れがあるというわけでありません。
その言葉が持っている辞書的な意味以上の微妙なニュアンスを読み取ることが苦手です。
冗談、皮肉、お世辞、慣用句なども通じないことが多いです。
想像力の問題
予定外のことが起こるのが苦手です。例えば、スケジュールや手順、配置場所などの突然の変更に対し、これから何が起こるのか想像が難しいため強い不安感を抱きます。
よって、ルールやスケジュールに固執する「こだわり」として、特徴が現れます。
ASDについてもっと詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてください。
【関連記事】大人の自閉症スペクトラムとは?特徴や3つのタイプについてわかりやすく解説▶
記憶力とは?
記憶力は、情報を取り込み、保持し、必要なときに取り出す能力を指します。私たちの日常生活において、この能力は非常に重要になります。
記憶の定義
記憶とは、過去の経験や学んだ情報を脳に保存し、後で再現する能力のことを指します。これには様々な種類があり、人は毎日の生活の中で無数の情報を取り込みますが、そのすべてを記憶するわけではありません。必要な情報だけを選択的に記憶する能力が私たちの脳には備わっています。
記憶の種類
記憶にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。
どのような種類があるのか下記にて解説していきます。
短期記憶
短期記憶は、数秒から数分の間だけ情報を保持する能力です。例えば、電話番号を一時的に覚えてかける際に使用します。しかし、この短期記憶は長く持続しないため、何か他のことを考えるとすぐに忘れてしまうことが多いです。
長期記憶
長期記憶は、長い期間にわたって情報を保持する能力です。例えば、学生時代に習った知識や、子供の頃の思い出などがこれに該当します。長期記憶は大量の情報を保存することができ、一度記憶した情報は何年もの間忘れることなく保持することができます。
ワーキングメモリ
ワーキングメモリは、現在のタスクを処理するために一時的に情報を保持する能力です。例えば、計算や文章の理解などに使用されます。ワーキングメモリは、情報を一時的に保持しながら、それを利用して思考や判断を行うための非常に重要な役割を果たしています。
ASDの人が記憶力がいいと言われる理由
ASDの人々は、特定の情報に対して高い集中力を持つことが知られています。そのため、記憶力も非常に高いと考えられます。
記憶力がいい6つの理由
ASDの人々の記憶力の特性には、以下の6つの理由が考えられます。
1.特定の興味や趣味に対する深い集中力
ASDの人々は、特定の興味や趣味に非常に深く集中することができます。このため、その興味の対象となる情報を高い精度で記憶することができます。
2.繰り返しの行動やルーチンの好み
繰り返しの行動やルーチンを好むことから、同じ情報を何度も繰り返し学習することで、その情報を深く記憶することができます。
3.詳細にわたる情報の処理能力
ASDの人々は、情報を非常に詳細に処理することができます。このため、細かい情報もしっかりと記憶することができます。
4.パターンや構造を認識する能力
複雑な情報や概念でも、その背後にあるパターンや構造を認識することで、情報を整理して記憶することができます。
5.情報を文字通りに理解する傾向
ASDの人々は、情報を文字通りに理解する傾向があります。このため、情報をそのままの形で記憶することができます。
6.感覚の過敏さや特異性
一般的な人々よりも感覚が鋭敏であるため、感じたことや経験したことを鮮明に記憶することができます。
ASDで記憶力がいいことのメリット
ASDの人々の記憶力の特性は、多くのメリットを持っています。これには、以下のような点が挙げられます。
- 学習能力の高さ: 高い記憶力を持つことで、新しい情報や知識を迅速に学習することができます。
- 詳細な情報の処理能力: 細かい情報もしっかりと記憶することができるため、専門的な分野での研究や仕事において高いパフォーマンスを発揮することができます。
- ルーチンワークの効率性: 繰り返しの行動やルーチンを好むことから、ルーチンワークを効率的にこなすことができます。
- 特定の分野での専門知識の習得: 特定の興味や趣味に対する深い集中力を持つことから、その分野に関する専門知識を深く習得することができます。
ASDで記憶力がいいことのデメリット
一方で、ASDの人々の記憶力の特性にはデメリットも存在します。
- 情報の過剰な取り込み: 多くの情報を記憶することができる反面、必要のない情報まで取り込んでしまうことがあります。
- 柔軟性の欠如: 一度記憶した情報を変更することが難しく、新しい情報に対して柔軟に対応することが難しいことがあります。
- 新しい環境や変更に対する適応困難: 既存の知識や情報に固執することから、新しい環境や変更に対して適応することが難しいことがあります。
発達障害では記憶力が悪い一面もある
ASDの人は特定の情報に対しては高い記憶力を持つ一方で、一般的な情報や日常の出来事に対しては忘れやすいという特徴もあります。これは、ASDの人々が特定の情報に対して高い集中力を持つ反面、それ以外の情報に対しては注意を払いにくいためです。
まとめ
- 記憶力とは情報を取り込み、保持し、必要なときに取り出す能力を指す
- 記憶には短期記憶、長期記憶、ワーキングメモリなどの種類がある
- ASDの人々は特定の情報に対して高い集中力を持つため、記憶力も高い
- ASDの記憶力の特性には、特定の興味や趣味に対する集中力や繰り返しの行動などの6つの理由がある
- ASDの人々の記憶力の特性を理解することで、行動や特性に対する理解が深まる