皆さま、こんにちは。
こねくと四条烏丸の田中です。
今回は先日駅で遭遇した話を書かせて頂きます。
駅での出来事
先日、駅でエレベーターに乗ろうとした時のことでした。
ドアが開くと、こちらに背を向け、やや体をくの字に曲げて左側の壁にもたれている 大きな中年の男性がいました。
想像していない場面に驚き、一瞬私の思考回路は止まりましたが、 すぐにその男性は先ほど近くで歩いていた男性だと気づきました。
彼はとてもゆっくり歩いていて、少し体が不自由なのかなと思って見ていたのです。
私は思わず尋ねました。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
「何階に行きますか?」
「3階に」(そこは1階)
経験のないことに多少の焦りはありつつも、
この返事で「体のバランスが崩れて自分でまっすぐ立てないのか」と手と腕で背中を押し支え、 3階のボタンを押しました。
しかし3階に着いてドアが開いても彼は動かないのです。
むしろ傾きが大きくなってきました。
私の焦りは増して、また聞きました。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
しかし彼は動きません。
「本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
体重が私の手と腕にさらにかかり、支えきれず思わず気づけば足でも支えていました。
そんな焦る私を知ってか知らずか、
エレベーターを待っていたおばあさんが
「下に行きたいんやけど・・・」と言ってきました。
仕方なく乗ってもらい、またそのまま1階におりました。
そしておばあさんは、何も言わず振り向きもせずに降りて行きました。
さすがに私も非常事態と思い、どうしようか考えました。
開いたドアの外側には人がたくさんいて、 この異変に気付いてこちらを見ている人も数人いましたが、誰も来てはくれません。
私はエレベーター内の非常ボタンを押しました。
すぐに駅員が応答してくれました。
駅員を待っている間に、外から1人の男性が来てくれました。
「さっきもその人しんどそうだったから駅員に言ったけど、倒れたりしてないから 来てもらえなかったんです。やっぱりだいぶしんどそうですよね。」と。
さらに続けて1人の女性が心配そうに来て、声をかけてくれました。
「大丈夫ですか?」
「もう駅員さんが来てくれるので大丈夫です」
思わず理由をつけて私は返事しました。
駅員が駆け付けた頃に、ついに彼は地面に完全に倒れてしまいました。
「後はお任せください」との駅員の言葉でその場の3人は去りました。
「大丈夫」(聞く側)
あとから、彼の言葉を鵜呑みにしてしまったことを反省しました。
「大丈夫」と言っていたけど、全くそうではなかった。
思い返せば、エレベーターのドアが開いた時から様子は普通ではなかったのです。
本当に大丈夫なのか、言葉だけで判断してはいけない。
本心で言っているのか、その他にも言いたいこと、
更には本人も気づいていない気持ちもあるのではないか。
その人の様子や行動なども見て考えることがとても大事だと思いました。
「大丈夫」(答える側)
「大丈夫」と答える前に、相手に心配かけまいと無理をして言っていないか、 しんどい時はそのまま伝えていい、むしろ伝える方が相手にもよいとも思いました。
本当のことは本人しかわかりません。
伝えなければ、気づいてもらうことさえ出来ないこともあります。 素直に伝えれば助けてくれる人がいます。
伝え方は大事ですが、素直に伝えることは悪いことではないのです。
この出来事は、相談支援にも通じることであり、しっかり心に留めておこうと思いました。
こねくとでは、どの支援員も親身に利用者様のご相談を受け、 どうすれば今の困りごとを解決できるかを共に探し考え、目標を目指してまいります。
無理をして「大丈夫」と言わなくてよい場所なのです。
どうしたらよいか迷われた時、ぜひお気軽にご相談ください。